シャーロック・ホームズ シャドウゲーム


 2012.3.14   アイリーンがいないのは残念 【シャーロック・ホームズ シャドウゲーム】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
前作の期待を背負いながら見ると、若干期待はずれかもしれない。ガイ・リッチーらしさは存分にでており、アクションも楽しめ、仕掛けも面白く、ユーモアもある。完璧に近いのかもしれないが、前作と比べると、やはりキャラクターが弱く感じてしまう。ルパン、次元、峰不二子という三人そろっての物語のはずが、ホームズ、ワトソンは健在だが、アイリーンが早々と退場してしまう。キャスティングの関係なのかわからないが、アイリーンのかわりにとってつけたようにジプシーの女が登場してくる。モリアーティ教授も悪くはないのだが、悪の香りが少ない。ホームズとワトソンの個性に誰もが負けている。前作に比べてわかりやすく、アクションシーンが激しくなっている。それなりにヒットするだろうが、前作を超えるとは思えない。

■ストーリー

ヨーロッパ各地で連続爆破事件が発生し、ホームズは天才数学者で作家のモリアーティ教授こそが黒幕だと推理する。事件に関与していると見たアイリーンが姿を消し、「手を引かなければワトソンの命も狙う」とモリアーティから脅迫されたホームズは、事件解決の鍵となる女性シムを探しにフランスへ向かうが……。

■感想
前作がとてつもなく面白かったので、どうしても期待は大きくなり、前作を大幅に超えないと、期待はずれと言われるのは2作目の宿命かもしれない。いつものガイ・リッチーらしく、敵のキャラクターはタフガイと謎のロシア人である。相変わらずホームズのキャラクターはすばらしく、今回はワトソンがただの添え物程度にしか思えないほど、終始ホームズが大活躍する。特に先を見通すような頭の中でのシミュレーションがすばらしく、そこまで先を読むか?と思うほど変人ぶりをアピールしている。そして、ワトソンとの掛け合いは非の打ち所がないほど完璧な面白さを引き出している。

モリアーティ教授がどんなキャラクターかが、本作の目玉の1つかもしれない。この悪役がどのような個性をはっきするかで、物語の面白さは大きく変わってくる。結論から言うと、ホームズに比べて個性が無さ過ぎる。悪くはないが、インパクトがない。得体の知れない怖さというものもないし、ただの偏屈な爺さんにしか見えない。圧倒的な力をもち、裏ですべてを操るはずのモリアーティ教授が、ただの一般人に見えてしまうと、ホームズの対戦相手としては物足りない。アイリーンが不在であれば、なおさらホームズとワトソン以外に強烈な個性が必要だろう。

いくつか登場する新キャラクターたちは、脇を固めるには良い。すべてをホームズが背負い、あとは周りの脇役たちがガヤガヤと進めていく。ホームズの独り舞台なので、面白さはあるが、一本調子というか、決められたレールをただ進むだけといった感じだ。前作のような複雑さを排除したかわりに、シンプルさを手に入れた本作。それは、より一般受けを狙ったのだろうが、前作を見て期待した人たちは、微妙な感想を持つかもしれない。悪くはないし、レベルは高いと思うが、もっと上のレベルを求めてしまうのは、前作のせいだろう。

モリアーティ教授って、確か仕込み銃がトレードマークじゃなかっただろうか…。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp