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 2011.2.11  CGアニメと割り切るべきか? 【GOEMON】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
映像はすばらしい。ただ、CGを多用したからといってアバターのようになるかというと、そうではない。日本的というかCGの映像がどこかアニメやマンガを意識したような構図になっている。そのため、ダイナミックさやスピード感はあるが、どうしても実写映画としての真実味がなくなってくる。ストーリーは歴史を意識したものだが、映像としては歴史を無視している。おそらく映像的に見栄えがするように、なんでもかんでもド派手にしたのだろう。映像を見ているだけである程度楽しめるかもしれないが、映画としてストーリーと雰囲気からすれば、ちょっと浮いているような気がした。ゴエモンが人の頭の上を飛び上がる場面など、マンガのひとコマかと思えるほど、マンガ的だ。

■ストーリー

舞台は天下統一を成し遂げた豊臣政権真っ只中の世。平安は訪れたものの庶民は困窮し、それを見かねた大泥棒・石川五右衛門は盗んだ金品を貧しい人に分け与えていた。

■感想
まず映像のインパクトはすごい。歴史を無視した鎧や扉など、映像的にインパクトがあるように作られている。そのため、いちいち原色の映像が目に焼きついてしまう。動きもなんだかアニメーションっぽく、かと思えばアップはそのまま俳優の映像となる。一部の映像が俳優のリアルな演技で、遠目からの映像とアクションはすべてアニメチックに感じてしまう。スピード感はあり、実写ではありえないような構図からの映像など、ダイナミックな面白さはある。ただ、どうしてもアニメやマンガ風だという思いは拭い去れない。

信長や秀吉など誰もが知っている歴史上の人物にあえてヘンテコな鎧をつけさせ、特異なキャラクターにするのはそれなりに意味があるのだろう。ゴエモンの釜茹でのエピソードはそっくりそのまま使っていたりと、それなりにストーリーには歴史的事実が組み込まれている。ただ、序盤に意味ありげに登場した子供が、その後ぱったりと出てこないことはかなり意味不明だ。はっきりいえば役割がわからなかった。流れ的にはゴエモンの仲間となり、最後まで何か重大な鍵を握る役目を果たすべきだろう。

俳優たちの演技というのは必要なのだろうか。中途半端にCGにするのではなく、全部まるごとCGにした方が、いさぎよかったのではないだろうか。中途半端な実写がそこだけ観光地にある顔だけだして記念撮影する看板のように思えて仕方がなかった。CGアニメとして見れば、すばらしいと思う。アクションとスピード感は、普通のアニメ映画と比べてまったく遜色はないというか、CGによってパワーアップしているような気さえした。この際、俳優は使わず人物もCGでよかったのではないだろうか。

チカチカした色と、のっぺりとした鎧などはCGならでわだ。



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