アバター


 2009.12.30  映像は必見だが、ストーリーは単純 【アバター】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
映像の美しさは確かにすばらしい。今までにない雰囲気を表現しているような気がする。しかし、いまさらCGのすばらしさに対して劇的に感動することはなく、単純に「すごい映像だなぁ」という思いしかない。ストーリー的には単純でわかりやすいのだが、あまりに予想通りすぎてストーリーとしてのインパクトが足りないような気がした。パンドラで生活するナヴィ族を追い払う地球人が、近代兵器で原始的なナヴィ族と戦うシーン。本来なら、地球人目線のはずが、すでに地球人は完全な悪者となっている。ナヴィ族と地球人の戦いが本作の一番の見所なのだが、そこにはなんだか言いようのない物悲しさを感じてしまった。判官びいきなのだろうが、なんだかすっきりしなかった。

■ストーリー

下半身不随になり、車いす生活を送るジェイク(サム・ワーシントン)は、衛星パンドラにやって来る。彼は人間とナヴィ族のハイブリッドであるアバターに変化を遂げ、不自由な体で単身惑星の奥深くに分け入って行く。慣れない土地で野犬に似たクリーチャーに襲われていた彼は、ナヴィ族の王女(ゾーイ・サルダナ)に助けられる。

■感想
映像のすばらしさはもはや言うまでもない。ただ世界観や雰囲気がファイナルファンタジーに似通っているように思えた。劇場では放映前にしっかりとFFのCMが流れていた。明らかに意識しているのかもしれない。CGのすばらしさが、独創的な映像を生み出しているかというと、そうではない。どこかで見たような風景。ナヴィ族や森の生物たちであっても、どこかありきたりな印象をうけた。いくら映像がすばらしくなったとしても、それが描くモノ自体が衝撃的でなければ、驚きも少ないのだろう。

ナヴィ族がメインである本作。ヘンテコな顔も後半には慣れてしまう。さらには、ナヴィ族が驚くほど表情豊かなことにもびっくりした。CGで作ったというと、どこか能面的で表情に乏しいという印象があったが、まったくそんなことはなかった。見た目は違っていても、演じている俳優の顔が思い浮かぶように個性が浮き出ていた。このあたりは、ゲームのCGとは違う、明らかな進化を感じた。大空を飛び回るケモノや、巨大な怪鳥。大空を飛び回るシーンの爽快感は、CGならではというところだろうか。

ストーリーが、誰もが想像できる方向へと流れるのはしょうがないことなのだろう。物語の素材的にも、これがベストなのかもしれない。ラストの地球人たちとの戦いで、圧倒的な兵器の力でナヴィ族を殲滅するシーンがあったかと思うと、今度は一転、地球人たちがやられていく。神秘の力を戦いに持ってくると、とてもアニメ的に感じてしまう。神の力で兵器に勝つ。地球人がこのまま負けっぱなしで静かにしているとは思えないが、本作はそこまでで終わっている。まさか、続編はないだろう。

ラストにタイトルが出たということは、本作は序章的扱いで、これからアバターという物語が始まるということなのだろうか。




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