エヴァンゲリヲン 新劇場版 序


2008.2.16 色あせないストーリー 【エヴァンゲリヲン 新劇場版 序】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
十年以上前の作品の焼き直し。十年前はミーハー根性からすべて見ていた。ストーリーを知っているだけに見る価値があるか微妙だったが、見てよかった。かなり映像が綺麗になっており、何より過去に感じたせつなさのようなものをもう一度感じることができた。基本的にはテレビ版を過不足なく編集し、映像に変更を加えたのだが。変更部分は一目瞭然で、専門的なことはわからないが、素晴らしい映像だと思った。序ということで、全体のストーリー的にはまだプロローグ部分なのだが、十分エヴァンゲリオンの雰囲気を感じることができる。今までまったくエヴァを見たことが無い人でもすんなりと入り込めるだろう。

■ストーリー

世界を壊滅状態へと導いた「セカンド・インパクト」から15年後。14歳の碇シンジは、特務機関NERV(ネルフ)の最高司令官で父親でもある碇ゲンドウから、謎の巨大生物“使徒”と戦う人造人間エヴァンゲリオンのパイロットに任命される。使徒との戦いが困難を極める中、地球存続のための任務を背負う彼らは、ある国家規模の作戦を実行に移すことになる。

■感想
基本的に過去の作品を見たことがある人は本作を見ても楽しめるだろう。テレビ版と比べるとかなりグレードアップした映像が楽しめるので、見て損はないと思う。それ以外の、今回初めてエヴァを見るような人はどうだろうか。おそらくストーリーの複雑さは多少感じるが、エヴァの世界を十分に感じることができるだろう。ただ、アニメという性格上、使途というわけのわからない怪物が登場し、それを正義のロボットが倒すという図式に嫌悪感を抱く人には向かないかもしれない。それを踏まえてみると、ただ、それだけではないということで、どっぷりと嵌る可能性もある。

テレビアニメが大々的にメディアに取り上げられるようになったのも本作が最初だろう。今見ると、主人公が陰鬱な性格で、どう考えても誰からも好かれるようなキャラクターではない。へたしたらイジメにあうようなタイプなのだろう。それがその時代には新しく感じ、時代の求めるものと合致し大ヒットした。十年たった今、まったく同じストーリーで映像を焼き直ししたところで、どの程度ヒットするかは未知数だろう。しかし、作品を見た限りでは今でも十分に通用する内容であり、楽しめる作品であることは間違いない。

ある程度決まりきったストーリーの中であっても初心者はもちろん、ベテランも飽きさせないような仕掛けがある。現段階では出るはずのないキャラクターを登場させてみたり、次回作の予告では、明らかにストーリーの違いを前面に押し出したり。相変わらず観衆をひきつける隠し球をもっている。それに気づきながらもテンションを上げて次回作を楽しみにするのは、まさに製作側の意図通りの観客なのだろう。

4部作として長いスパンで完結に至るのだろう。下手したら一年に一作できるかどうかというペースになりそうな気がする。しかし、コアなファンはあれこれ予想しながら楽しみに待つことだろう。



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