GOSICK2  


 2012.1.15  キャラクターの出自の秘密が明らかに 【GOSICK2】

                      評価:3
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■ヒトコト感想

シリーズ2作目。前作で紹介済みのキャラクターを使い、新たな物語をつむぎだす。キャラクターのルーツを探るような謎や、いわくありげな言葉などで、秘密めいたことを連想させる。シリーズの中心であるヴィクトリカの秘密が徐々に明らかとなる。まだ本作では出自の秘密にかすかに触れた程度だが、壮大な物語になりそうな雰囲気はある。今回は主役である久城がヴィクトリカと共に山間の小さな村で事件に遭遇するという流れだ。ミステリー的な要素よりも、ヴィクトリカの謎と村の謎を絡めながら事件を解決していく。キャラクター的な面白さが、前作に比べると多少落ち着いている。ポイントとして上げるとすれば、ヴィクトリカの謎が深まったというくらいか。

■ストーリー

「“灰色狼の末裔”に告ぐ。近く夏至祭。我らは子孫を歓迎する」不思議なその広告を見たヴィクトリカは夜、学園を抜けだし山間の小さな村にやってきた。時が止まったようなこの地で、またも起こった惨劇。それは、かつて彼女の母・コルデリアが巻き込まれた事件と呼応するかのように続いてゆく。そして、最後にヴィクトリカが見抜いた真実とは…!?

■感想
前作の事件と比べると、多少グレードダウンしている。全体的にこじんまりとし、小さな村で起こる出来事を淡々と追いかけていくといった感じだ。キャラクターはいつものどおりなので、特別な印象はない。すでにキャラ付けされている強みと、ツンデレを連想させるような流れなど、ミステリー以外の部分にそれなりに力を入れている。現代の文明から隔離され、ひっそりと暮らす小さな村でいったい何が起こったのか。事件よりもヴィクトリカの出自についての問題の方が大きく扱われている。

ヴィクトリカの母親が本作のポイントとなる。何かしら、いわくありげな人物だったようだが、その真相はまだ明らかにならない。ミステリーの定番として、狂言回し役の久城と名探偵役のヴィクトリカ、そしてヴィクトリカの兄である駄目な警察役まで揃うとミステリーとしてなんの不安もない。ヴィクトリカが久城となんだかんだとありながら事件を解決に導く決定的な推理をする。もったいぶってなかなか”言語化”しないというのも、この手の物語の定番だろう。

シリーズ2作目は可もなく不可もなく。大きなインパクトがないために、印象はうすい。今後シリーズを引っ張っていくのが、ヴィクトリカの謎だけでは辛いかもしれない。久城とヴィクトリカの関係はさておき、そのほかに、何かインパクトのあるキャラクターなりが登場し、大きなうねりを引き起こすとか、そのあたりがないと継続するのは辛いだろう。あいまに描かれる挿絵で脳内を補完してはいるが、アニメの印象ばかりでは人を引き付け続けるのは辛いだろう。

これからこのシリーズがどうなっていくかが気になるところだ。




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