2009.9.24 マニアックすぎる趣味 【大極宮2】
■ヒトコト感想
前作と同様WEBで発表されたものが書籍化されている。前作では、まだ見ぬ作家生活の裏側をのぞき見るようで楽しかった。しかし、それが二回目となると何か目新しいものがない限り、熱中することはできない。三人の作家それぞれのキャラクターも決まっており、内容も同じようなことの繰り返しとなる。リアルタイムに読んでいたらまた違った感想をもったかもしれないが、いまさらというのがある。今回は特に宮部みゆきに対してはかなりマニアックだと感じた。特定のゲームの話をつらつらとされても、そのゲームに興味がない人にとってはまったく面白くもなんともない。それは京極夏彦にも言えることかもしれない。趣味がマニアックすぎる。
■ストーリー
「毎晩、お酒を飲んでいるのですか?」と宮部みゆきに驚かれる大沢在昌は、「仕事の疲れを癒すために飲んでる」と答える。「金にならない仕事ばっかりだね?」と大沢在昌に心配される京極夏彦は、「だって仕事が趣味なんですから」と反論する。「ゲームを語っている部分が続きますね」と京極夏彦に呟かれる宮部みゆきは、「ゲームばかりですよ」と皆を納得させる。大沢在昌、京極夏彦、宮部みゆき・公式ホームページ「大極宮」の三人がお互いにツッコミ、なぐさめ合い、そして笑う!!
■感想
三人の趣味というか生活形態はほぼ変わらないということがわかった。前作では目新しかった、表にでてこない作家の素顔。ただ、二回目ともなると、それなりの耐性もできてくる。ダイエット合宿やゴルフの話。なんだか当たり前の日常を描かれているようで、それほどインパクトがあるようには見えなかった。ほとんど仕事らしい仕事の話がでてこないが、裏ではしっかり働いているのだろう。上っ面だけ読んでしまうと、作家というのは随分とのんびりとした家業なんだなぁと思ってしまう。
今回の宮部みゆきは特別ゲームに対する熱い思いを感じることができる。さらに言うなら、特別興味のないゲームに対してツラツラと語られたところで、まったく読む気がしない。とりあえげられているゲームをやったことがあるというのが大前提として存在している。それを守れなかっただけに、読んでいて終始退屈で、しまいには読まずにとばしてしまった。ほぼ半分は読み飛ばしただろうか。トータルで考えるとほとんど読んでいないと言っても良いかもしれない。
京極夏彦は前回から引き続いて、相変わらずの雰囲気をかもし出している。妖怪関係の話は特殊すぎる。それを考えると、本作は大沢在昌以外はマニアックな趣味に特化しているということだ。となると、必然的に楽しめる人を選ぶことになる。いくらこの三人のファンだからといって、安易に手をだすべきではないかもしれない。中身を知った上で、マニアックな趣味についていけないとしても、読もうという人は手にとっても良いのではないだろうか。
3はおそらく読まないだろう。
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