ラスベガスをぶっつぶせ


 2008.12.17  最後は爽快感いっぱい 【ラスベガスをぶっつぶせ】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
まず最初に疑問に思ったのはカード・カウンティングが違法なのかということだ。別にいかさまをしているわけではなく、自分の能力で予想しているのだから、まったく問題ないのではないかと思えてしょうがなかった。しかし、作中では抗議することもなく、用心棒に殴られて終わる。結局最後まで、なぜカード・カウンティングが違反で生体認証だと駄目なのかがよくわからなかった。天才的な数学力をもちブラックジャックで大勝する。その理論も説明されてはいるが、いまいちよくわからなかった。ブラックジャックをよく知っていれば、まだ理解できたのかもしれない。カジノへ繰り出すシーンでは、手法は違えどどことなく、オーシャンズ13に似た雰囲気を感じてしまった。

■ストーリー

マサチューセッツ工科大学の学生ベン(ジム・スタージェス)は、天才的な数学力をローザ教授(ケヴィン・スペイシー)に見出され、ブラックジャックの必勝法(=カード・カウンティング)を習得するチームに誘われる。進学したい大学への30万ドルという高額な学費を稼ぐためベンは仲間とともにトレーニングを続け、卓越した頭脳と巧みなチームワークを駆使してラスベガス攻略に挑むが――!?

■感想
最初は学費を稼ぐために始めたことも、儲かりだすとやめることができない。ある意味定番的な流れと、お約束な出来事だ。ラスベガスで大勝するまでの過程がやけにあっさりと描かれており、苦労して能力を磨き上げたというようにも見えなかった。もともとカード・カウンティングの違法性にも疑問を思っていたので、見つかるか見つからないかというハラハラドキドキ感もいまいち感じることができなかった。しかし、大儲けしてからの成金ぶりはわかりやすく、その後の何もかも失った絶望感も良く出ていた。これが盛者必衰ということか。

本作のポイントとしては、ベンの大学の友達がさえないという部分だ。それまでどちらかというと、成績は良くてもさえない、楽しみのない生活をしていたはずのベンが大きく変わる。そして、変わればダサい友達を切り捨てる。典型的な嫌なやつだ。しかし、観衆はこの嫌なベンに対して嫌悪感を抱かずに、哀れみを感じてしまう。全てが順調にいくなかで、突然の真っ暗闇に突き落とされる。なんだか、人事ではないようにその没落っぷりには同情してしまう。人生はそううまくはいかないということをベンが体言している。そして、全ての元凶であるミッキーに怒りの気持ちがふつふつとわいてくる。

細かく見ていけばおかしなところはずいぶんとある。しかし、本作は数学的な考え方でブラックジャックに大勝できるという夢と、調子に乗りすぎた男の末路はどうなるかということを、まるで昔話のように教訓を含めて描いているようだ。ラストまでにはしっかりと伏線がしかれており、納得のできる終わり方ともなっている。ギャンブルに勝ち続ける必勝法は誰もが追い求めることだろう。しかし、それを見つけたからといって必ずしも幸せになるわけではない。なんだか、この明るいトーンと比べるとずいぶん教訓じみていると思った。

本作の中で最も嫌な男ナンバー1であるミッキーも、最後にその報いを受けたことに、気持ちがスカッとした



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