2007.8.11 アル・パチーノの存在感 【オーシャンズ13】
評価:3
■ヒトコト感想
オーシャンズ12は随分と酷評した覚えがある。確か、あまりに出演陣が豪華すぎて、目移りしてしまい、最終的にはなんだかよくわからなかったような印象しかなかった。本作もその危険性をはらんでいたが、随分スッキリと見ることができた。それは恐らく、きっちりとした役割分担がされており、誰が、どの場面で活躍するかということがはっきりと分けて描かれていたからだろう。敵か味方か微妙なアンディ・ガルシアや、存在感抜群のアル・パチーノ。豪華出演陣を、もったいないくらいチョイ役として使うのはいつものことだが、目的がはっきりしていたのが一番印象をスッキリとした原因なのだろう。
■ストーリー
“オーシャンズ”のメンバーの1人、ルーベンが心筋梗塞で倒れた。原因は世界的なホテル王ウィリー・バンクの裏切り。だまされ、切り捨てられたショックで病に伏せたのだ。ルーベンの病床にかけつけたオーシャンやラスティーたちは、仇をとるべく行動を開始。狙う先は、バンクが新たにラスベガスに建設するカジノホテルだ。最新鋭のセキュリティに守られたこの場所で、バンクの全てを奪うための戦いが開始された…!!
■感想
最新セキュリティに守られたカジノ。この最新セキュリティがまた少し進化していて面白かった。そして、それに挑戦するオーシャン一味が、結局はセキュリティを無理やり破ろうとはせずに、別のアプローチで挑戦しようとするあたり、合理的というか、何でもありな雰囲気ではなかった。しかし、大掛かりな仕掛けと、大掛かりな準備。多くの協力者を味方につけ、実行するのは3分ちょっとで済ましてしまう。この潔さが良かった。
気のせいだろうか、ジョージ・クルーニーをそれほど大物とは思わないが、本シリーズでは主役級である。ブラピやマッド・ディモンを引き連れて歩く姿は様になってはいるが、どうもそれほど大物とは感じない。ただ、あのロマンスグレーがリーダーとならないと、このチームはしっくりこないのだろう。ブラピがリーダーであれば、つまらない仲たがいが起きそうだし、マッド・ディモンであれば、一人突っ走ってしまいそうな、そんな雰囲気を感じてしまう。
これだけ豪華メンバーが集まると、どうしても偏りが出てしまう。脇役は回をおうごとに、だんだんと存在感が薄れてくる。今回はアル・パチーノという強烈な存在感を示す人物が登場したので、よりその印象が強い。アンディ・ガルシアもおいしいところを持っていくし、ジョージ・クルーニーも相変わらず渋く、仲間思いの良いリーダーとなっている。なんだかこの三人がすばらしいだけに、ブラピの存在感が少し薄れているように感じた。
これだけ豪華なメンバーが一同に集まるのは、もうこのシリーズ以外はありえないだろう。そう考えると内容云々よりも、この映画自体に価値があるのかもしれない。
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