マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋


 2008.9.8  夢のようなおもちゃ屋 【マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
どことなくチャーリーとチョコレート工場に似通った雰囲気を持ちながら、中身はまったく別物のハートウォーミーな物語。久しぶりのダスティン・ホフマンがマゴリアムおじさんを演じ、従業員役をナタリー・ポートマンが演じている。本作がどの年齢層をターゲットにしているのかにもよるが、子供は楽しめるだろう。子供にとって、おもちゃ屋は夢の世界であり、それが現実として魔法によって成り立っているというのは、まさに子供が想像するおもちゃ屋そのままだろう。皆が大好きなおもちゃ屋は魔法の効果が切れると、ただの古ぼけた店になってしまう。じゃあ、どうやって魔法をかければいいのか。人は無理だと思い込むと何もできない。一つのきっかけさえあればどんなことでもできる。そんな前向きなメッセージを感じる作品だ。

■ストーリー

マゴリアムおじさんのおもちゃ屋は、誰も見た事のない不思議なおもちゃでいっぱい。しかし、おじさんがモリーに店を譲ると宣言してから、おもちゃたちが激怒して大反乱を起こし、マジカル・ワールドは破滅の危機に陥っていく。果たしてモリーはみんなが大好きなおもちゃ屋を守ることが出来るのか!?

■感想
夢のおもちゃ屋の店主であるマゴリアムおじさん。夢と現実の狭間で右往左往するモリー。友達ができずに悩む子供。そして、超現実主義者な会計士。夢のおもちゃ屋に危機が訪れると、周りの人々までゴタゴタが伝染するように、ギクシャクしてくる。マゴリアムおじさんの全てを悟ったような表情。どんな悩みであっても、マゴリアムおじさんに相談すれば、はぐらかされはするが、最後には心がすっきりと晴れ、気分よく明日が迎えられそうな、そんな暖かさを感じてしまった。

マゴリアムおじさんが店をモリーへ譲るくだりでは、悲しい場面のはずなのに、涙はでず、そこには希望のようなものが溢れている。現実主義者の会計士でさえも、何かを悟ったようなマゴリアムおじさんの前ではタジタジになる。夢のおもちゃ屋を中心として様々な思いを心に抱きながらも、何もできない人々。皆がおもちゃ屋の復活を願うが、どうにもならない現実。偉大な店主の後を引き継いだモリーの苦悩というのは、誰もが共感できる部分だろう。なんとかしたいのに、自分ではどうにもならない。まさに逃げ出したい心境だろう。

人は何かをするときに、最初からできないと決め付けると何もできない。できると思う気持ちが重要だ。子供たちに対するメッセージなのだろうか。モリーがマゴリアムおじさんからのプレゼントをきっかけとしておもちゃ屋を蘇らせる。それは、信じる心がもたらした奇跡なのだろう。不思議なおもちゃ屋の描写もファンタジーに溢れており、思わず見とれてしまうのだが、周りの登場人物たちには、誰一人として悪者が存在しない。皆、不思議なおもちゃ屋に魅せられた人たちばかりだ。

チャーリーとチョコレート工場とは似ても似つかない作品だった。



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