クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち


 2009.10.11  小難しい西洋の宗教 【クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
独特な雰囲気の作品。どことなくダ・ヴィンチ・コード的であったり、セブン的であったり、見たことあるような展開ではある。なにやら怪しげな雰囲気で謎を次々と提示してくる。その結果、不可解な事件に少しずつ光が差していくのかと思いきや…。まったくそうではなかった。正直何をやっているのか良く分からなかった。キリストだの黙示録だの、その手のことに興味がある人にとってはよだれものなのかもしれない。しかし、ただの一般人にとっては、小難しいことを言われても理解に苦しむだけだ。事件の説明よりも、登場人物たちのアクションに時間を使っている。そのせいで、全体がぼやけてしまった。アクションメインなのか、謎メインなのか、結局どっちつかずだ。

■ストーリー

12世紀に建造された修道院で、キリスト像が血を流す事件が起こり、ニーマンスが探ると、壁に埋め込まれた死体が発見される。そのころ、麻薬絡みの犯罪を捜査する若き刑事レダは、キリストに似た男と遭遇。ふたつの事件に接点が見えたとき、さらなる殺人が起こる。

■感想
いかにもハリウッド映画に対抗しようとした匂いがプンプンしてきた。ところどころ、ハリウッドを越えようと頑張っているのは見受けられる。ただ、全体として結局何が言いたかったのかわからなかったのは痛い。謎も中途半端で、難しい専門用語だけ並べ立て、強引にいわく付きな雰囲気をただよわせている。かと思うと、激しいアクションを繰り広げる。謎がよくわからなかっただけに、アクションの良さばかりが目に付いた。ものすごい身体能力を見せる修道者。全力で走りながら、滞空時間の長い跳躍を見せる。その部分だけ少しの間見とれてしまった。

壁に埋め込まれた死体や何かを暗示させるような事件。キリストに似た男だったり、キリスト像が血を流したり。なんだか、この手の作品はすでにおなかいっぱいなので、特別な感想はない。西洋の宗教全般についてそれほど詳しくないだけに、ツラツラと説明されたところで、すぐに頭から抜け落ちてしまう。これが、ヨーロッパ人あたりだと、しっかりと理解できて、楽しめるのだろうか。日本人に仏教がどうだとか、事件のネタに使われたとしても、理解に苦しむのと同じような気がしてならない。

そうはいってもアクションはすごい。ただ、よく考えると意味不明なものがある。森の中から突然建物が登場し、そこから銃弾の雨あられ。車が大破するシーンは見ていて面白かった。しかし、結局あの要塞はなんだったのか、はっきりとした説明はない。ビジュアル的な面白さを重視したのだろう。ちょっとした冒険物のような雰囲気すらある。サイコサスペンス的なにおいを漂わせながら、アクションを織り交ぜ、いいとこどりをしようとしたのだろう。あまりうまくいってはいないが…。

ダ・ヴィンチ・コードでさえ苦しかったのに、本作はさすがに無理だった。



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