機動戦士ガンダムUC 9 福井晴敏


2010.8.2  ファーストガンダムを意識したセリフ 【機動戦士ガンダムUC 9】

                     
■ヒトコト感想
とうとうクライマックスに突入した本シリーズ。周りを敵に囲まれた状況の中、ユニコーンとネイル・アーガマはひたすら目的地を目指す。大量の武器を装備し孤高の戦いに挑むパターンはガンダムシリーズの中ではある意味おなじみの場面かもしれない。ラストへ向かうために、メインキャラクターが総登場し、散っていく。宿命のライバルであるフル・フロンタルは最後にとっておいて、本作ではその前段階として、アンジェロとの戦いと、リディとの戦いが待っている。クライマックスへ向かうため、犠牲になるメインキャラクターたち。ファーストガンダムを意識させるようなセリフが多く、昔からのファンにはたまらないサービスが多いのも特徴かもしれない。

■ストーリー

壮大な新ガンダム神話がついに終焉を迎える。『ラプラスの箱』の謎を解き明かす最終座標<インダストリアル7>のコロニービルダーを舞台に、壮絶なる最終決戦が始まる。

■感想
ラプラスの箱を手に入れるため、敵が待ち受ける中、圧倒的に少ない戦力で立ち向かうネイル・アーガマ。そこにはユニコーンの存在があってこそ、前に進むことができる。孤軍奮闘するユニコーンというのは、ラストにふさわしい激しい戦いとなっている。ユニコーンを助けるために満身創痍のマリーダがクシャトリヤで戦いに挑む。メインキャラクター同士の戦いに決着がつき、必然的に犠牲がでてくる。主要キャラの死というのは、物語に重みが増すと共に、感動を引き起こす。

どことなくファーストガンダムの影響を強く受けているような気がした。サイコフレームうんぬんの話の中では、精神世界の物語となっている。モビルスーツ同士の戦いのはずが、いつのまにかパイロット同士の精神世界での融合となっている。印象的なセリフにしても、ファーストガンダム世代ならば、必ず聞いた覚えのある言葉がでてくる。ニュータイプが乱立する中で、さらに特殊な能力を持つバナージとフルフロンタル。この二人の戦いは、お互い手負いながらも最終巻まで続くのだろう。

ガンダムシリーズ全般に言えることだが、ある人物の異常な激高や戸惑いによってメインキャラクターが犠牲となるパターンがある。本作も我を忘れたリディによって、犠牲となる人物がいる。ある意味決着がついたバナージとリディの戦いも、まだ2号機が戦えるということで、次巻でシナンジュとの絡みがあるのかもしれない。シナンジュによってあっさり全滅するかと思われたトライスターたちは、しぶとく生き残っている。シリーズ特有の凄惨なラストというよりは、まだ救いのある終わり方に近づいているような気がした。

最終巻へのステップとしては、これ以上ないほど物語は盛り上がっている。

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