ジュラシック・プラネット 恐竜の惑星


 2008.8.5  ある意味面白い 【ジュラシック・プラネット 恐竜の惑星】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
たまに、この手の面白作品を見たくなる。パッケージから明らかに何かやばそうな雰囲気を感じていたがあえて見てみた。エンド・オブ・アースの再来を予感させる流れだが、なかなかのものだった。まず近未来な雰囲気を装いながら、降り立った星はまるでハリウッドのスタジオさながらの村。そこには謎の異星人が存在するらしいのだが…。登場する武器と町並みのかけ離れ方と、恐竜と思わしきものたち。まずこの恐竜がおかしい。五年前のゲームに登場するCGのような恐竜、そして、アップになるとぬいぐるみが人間の体を食いちぎる。明らかにわかりやすすぎる特撮。これほど安易な見せ方をいまさらしてくるとは思わなかった。カット割りで無理やり動きを出させようとするのがありありと感じられた。

■ストーリー

21世紀後半、地球は荒廃が進み、人類は新たなる生存の地を求め自らを分子化し、あらゆる惑星移動と惑星探査を頻繁に行なうようになっていた。今回科学者と彼らを護衛する精鋭部隊が探査に来た惑星は、知的生命体が存在するかのような謎の古代建造物が立ち並び、しかも血に飢えた狂獣(=恐竜)が群れを成し棲息する惑星だった。謎の建造物の調査を始めた彼らは、遂にその建造物の創造主である異星人と遭遇。過去、地球に何度かやって来たことがあるその知的生命体は、その惑星を地球のようなユートピアにすることを目指し、地球上では中世を思わせる建造物を構築し、家畜としていたのが恐竜だったのだ。しかし、その恐竜の逆襲に遭い、彼らの全てが殺戮されてしまった。その話を聞き、命の危機を感じた科学者と兵士たちはその惑星からの脱出を決意する。

■感想
謎の知的生命体がなにやら高度な文明をもっているのかどうなのか。それでいて、恐竜に襲われる人々。まず恐竜の描写がトホホなだけに、恐竜がでてくる場面に緊迫感がない。何かといえば恐竜の爪をだし、いかにも近くに隠れてますよ的な雰囲気を演出している。それでいて、遠くからやってくるときはカクカクとしたCGで、そこから一気に近づくとぬいぐるみとなる。さらに悪いことには、銃で撃っても銃弾が当たるという描写が乏しく、カットが変わると恐竜が倒れていたりする。この流れは、まさにエンド・オブ・アースだ。

本作がいったい何を言いたいのか不明だ。ただ異様に力を入れていると感じるのは、人間が殺される場面だ。それもリアルタイムに描くのではない。倒れた人間の上に覆いかぶさる恐竜。そして、痛みと苦しみで叫ぶ顔。次の場面では、顔周辺に血が飛び散っている。そして、内臓が飛び散り、恐竜がボソボソと食い散らかしている。別の場面では、恐竜が突然現れ、人間の頭に口をかぽっとはめ込む。そして引っ張ると、血がぴゅーと飛び出す。もうこの繰り返しだ。いい加減飽きてくるが、最初は面白かった。

CGと俳優たちの融合に苦労したのか、あちこちはっきりと境界線がわかるようになっている。ある程度覚悟して見た本作であったが、これほどのものとは思わなかった。恐らくこの後見る別の作品では、どんなにショボイCGであっても素晴らしく感じるかもしれない。はっきり言えば、他の作品を引き立てるものとしては、これほど素晴らしい作品はないだろう。ます、本作を見て、何か別の作品を見る。そうすると別の作品は、まるでアカデミー作品賞の受賞作のごとく素晴らしい作品に見えてくるだろう。

次に見る作品が楽しみだ。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp