グリーンフィンガーズ


 2010.6.15  囚人とガーデニングのミスマッチ 【グリーンフィンガーズ】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
どこまでが実話なのか怪しいところだが。囚人たちが庭師となりフラワーショウに出展する。囚人が協力しあい、困難な目標を達成するというパターンなのだが、お決まりどおり様々な障害が待ち受けている。実話ベースだからなのか、障害といってもたいした障害ではない。ショーシャンクのように、囚人同士の軋轢や争いがあるわけでもない。終始和やかに、落ち着いた雰囲気で進んでいく。ただ一つ問題があるとすれば、囚人ということで周りから色眼鏡で見られるということだけだ。庭師として力をはっきする囚人たち。シリアスでもなければ、コメディでもない。微妙な雰囲気で、最後は泣けるほど感動を前面に押し出してもいない。サラリと見終わり、前向きな気持ちになれるが、中途半端な印象ばかりが残った。

■ストーリー

英国の実話を基にした、囚人たちが庭師を目指して奮闘する笑いと涙の感動ストーリー。弟を殺して収監されたコリンは、刑務所長から3人の個性的な仲間と共に庭造りを命じられる。ある日、女王陛下も鑑賞するフラワーショウ出場の話しが舞い込んできた。

■感想
悪くない。実話ということで、興味深い部分もあるが、すべてがすべて実話ではないのだろう。作中ではフラワーショウに参加するためわざと犯罪を犯し、もう一度刑務所に舞い戻ってきたり。あらぬ疑いをかけられた囚人が脱走したが、そのことに一切触れられなかったり。気になる部分は多々あるが、物語の流れはショーシャンク的な感動作を狙っていたのだろう。囚人たちが協力して庭弄りをする。囚人とガーデニングというミスマッチをついた面白さなのだろうが、囚人たちのキャラクターがイマイチのため、特別な印象は残らなかった。

主人公であるコリンが周りの囚人とどういった関係なのか。ガーデニングを始める前も特別な描写がないため、コリンの立ち居地が曖昧だった。そのため、囚人たちが協力したところで、困難を乗り越えて何かを達成するという達成感は少ない。囚人たちに待ち受ける障害にしても、メインは囚人ということへの周りの先入観と偏見だけだ。それ以外は、理解ある所長や周りの人々の助けによってすんなりとガーデニングの作業は続いていく。コリンの個人的な出来事ではそれなりに障害があるが、全体としては順風満帆に見えてしまう。

ラストではお決まりどおり、ガーデニングに参加し様々な評価を受ける。実話ということで、突飛な結果を出すことはできないが、明るく前向きな気分にはなれる。だからといって感動にむせび泣く場面や、ハッピーエンドに涙するということはない。なるべくしてなったというように、先がある程度見えてくると、そのままサラリと流れてしまう。囚人たちは自分たちの立場をわきまえて、それなりの行動をするあたりは、なんだかしんみりきてしまった。悪くはないが、もっと激しい困難や大きな達成感を予想していただけに、ちょっと物足りなく感じてしまった。

特別な感動はないが、サラリと見れる良作だろう。



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