ショーシャンクの空に


2006.3.26 なぜか爽やかな気持ちになる 【ショーシャンクの空に】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
さわやかな気持ちになる作品は多数あるが、刑務所内での生活を扱った作品でここまで晴れやかな気分で見終わったのは本作が始めてだ。陰湿ないじめや、強烈な体罰。これは周知の事実で本作でももちろん登場する。それをアンディが機転をきかせて仲間達と親密になり、図書館を作ったり、会計士まがいのことをしたり。やってることはむちゃくちゃに思えるがなぜかものすごく説得力があるように感じてしまう。最後にはありえない展開からハッピーエンドになるのだが、晴れやかな気分になったのはむしろ刑務所生活でのほのぼのとした生活から受ける印象のおかげかもしれない。

■ストーリー

ショーシャンク刑務所に、若き銀行の副頭取だったアンディ・デュフレーン(ティム・ロビンス)が、妻と間男を殺害した罪で入所してきた。最初は刑務所の「しきたり」にも逆らい孤立していたアンディだったが、刑務所内の古株で"調達係 "のレッド(モーガン・フリーマン)は彼に他の受刑者達とは違う何かを感じていた。そんなアンディが入所した2年後のある時、アンディは監視役のハドレー刑務主任(クランシー・ブラウン)が抱えていた遺産相続問題を解決する事の報酬として、受刑者仲間たちへのビールを獲得する。この一件を機に、アンディは刑務所職員からも受刑者仲間からも、一目置かれる存在になっていく…。

■感想
刑務所の中の生活がこれほどほのぼのとしているとは思えない。しかしそんな気持ちを凌駕するほどの演出であり構成がそこにはあった。アンディが終始無表情なのも、仲間と和気藹々とすごしても、今自分がいる場所が刑務所だということを再認識させる。アンディの仲間達は皆気のいいやつばかりで、アンディが刑務官たちに対して会計士まがいのことを始めたことがきっかけで物事がうまく回り始める場面では、なにか言いようのないうれしさのようなものを感じてしまった。

アンディが受刑者仲間達から一目置かれる存在になってもそれを鼻にかけたりせず、皆の利益のために献身的になる姿にも心打たれるものがある。新人が資格がほしいといえば協力したりとアンディの人柄のよさがとことんアピールされている。

本作を見ると根本的な問題を忘れてしまっている。受刑者達は何かしらの犯罪を犯しているわけであり、まして無期懲役に科せられるほどの犯罪を犯しているはずだ。いい意味で受刑者達は更生しているのかもしれない。しかし最後にレッドが語った言葉はものすごく重みがあるように感じた。刑務所に入るということは悪いに決まっているが、それが肯定されているとは言わないまでも決して悪いことではないような流れになっている。

娑婆での辛く苦しい生活を続けるくらいならば、多少不自由であれ仲間と共にすごす刑務所暮らしの方がよいと思ったレッドの気持ちも本作を見るとなんとなくうなずけるかもしれない。



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