エネミー・ライン2 北朝鮮への潜入


 2010.9.28  アメリカは正義だ! 【エネミー・ライン2 北朝鮮への潜入】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
前作とはまったくの別物。ただ敵地のど真ん中に放り出されるという意味では同じかもしれない。それにしても、相変わらずのザ・アメリカ映画だ。北朝鮮がミサイルを準備しているという情報を手に入れると、すぐさまミサイルをぶち込むか、破壊工作を行うかを迷う。アメリカ的な、力は正義だという印象が強くなる。逆に韓国アメリカ大使の正論には納得してしまう。北朝鮮が報復先として選ぶのは間違いなく韓国なのだから。昨今の情勢を考えるとありえないことではないのかもしれないが、いくらなんでも4人の兵士と少しの協力者だけでミサイル発射基地を破壊するなんてことができるはずがない。アメリカ的ヒーロー像はここでも健在だ。

■ストーリー

米国と北朝鮮、第二次世界大戦後から続く、一触即発の緊迫した対立関係の中で、北朝鮮が秘密基地内に核ミサイルを保有しているという情報が、米ホワイトハウスに届いた――その脅威を防ぐべく、基地の破壊作戦に任命されたのは、米海軍のジェームス大尉率いる選ばれし戦士たちだった。ところがミッション開始直後、不意に作戦失敗の連絡が入り、4人の兵士を敵地に残したまま海軍は撤退を余儀なくされる。残された4人の兵士の運命は?執拗な敵の攻撃を逃れて脱出できるのか?そして北朝鮮の核ミサイル発射を止めることはできるのか?

■感想
助けもなく、敵地のど真ん中で孤立する。そこから一発逆転を目指すというのがアメリカらしい。エピローグには仲間を助けるために命令違反を犯した兵士をお咎めなしにするなど、ひと目でアメリカらしい演出を感じてしまう。ミサイル発射を阻止するために、議論する大統領周辺のブレーンたちも、なんとなくだが型にはまったキャラクターたちだ。強硬路線を貫く将軍と、和平路線を主張するブレーンたち。間に挟まれ、決断を迫られ苦悩する大統領。わかりやすいことこの上ない。

北朝鮮が悪として描かれてはいるが、末端の幹部の中には良識というか、世界における自分たちの位置というのをわかっている者もいる。この北朝鮮軍の幹部だが、やけにアメリカかぶれしたいい味をだしている。北朝鮮という独裁者が統治する国だからこそ、このような描き方ができたのだろう。韓国と全面戦争になって一番苦労するのは自分たちだとわかっている。単純に悪の組織のミサイル基地を破壊するだけというのではない、妙に深い部分もあった。

ラストはいつもどおり、アメリカで好まれそうな流れだ。部下を失った大尉は後悔し、命令違反の部下は軍法会議にかけられる。へたをすれば世界的な争いに広がりかねないことを、密室で議論し、最終的に決定する。いつもながら、アメリカは正義だ的な印象は強い。それに慣れてしまっているだけに、すんなりと受け入れられていることも恐ろしい。日本では絶対にこの手のオチにはならないだろう。特殊部隊が潜入し破壊工作をするというのも、アメリカだからこそ許される的な何かがある。

何も考えずドンパチを見たい人にはお勧めだ。



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