デジャヴ


 2010.8.23  タイムパラドックスを無視する流れ 【デジャヴ】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
タイトルの意味と内容が微妙にずれてるような気がするが…。ちょうどねじの回転という本を読んだ。それに似ていると思ったが、決定的に違うのは映像的なインパクトだろう。映像装置として過去の映像が次々と画面に浮かび上がる様は、作り物とわかっていても興奮してしまう。グリグリと操作することで、過去のあらゆる場所を多方向から見ることができる。かなりなんでもありな設定だが、タイムパラドックスを一切無視した流れには驚いた。ダグの行動を示すような伏線がしっかりと描かれているのは良いが、過去のある時点ではダグが二人存在することになってしまい、ダグの未来はないということになってしまう。先を想像するのはルール違反だろうか?

■ストーリー

543名もの犠牲者を出した、凄惨なフェリー爆破事件。捜査官ダグは、手がかりを握る一人の女性の遺体を見た瞬間、強烈な“デジャヴ”に襲われた―「私は、彼女を知っている・・・」。彼は特別捜査班の一員として、政府が極秘に開発した【タイム・ウィンドウ】と呼ばれる映像装置を見せられる。その正体は、現在時間から《4日と6時間前》の映像を自由に見ることができる、驚くべき監視システムだった!まるで生きているかのように美しい彼女の姿を見続けるうちに、ダグは再びデジャヴを感じ、さらに「彼女を救いたい」と強く願うようになる・・・。

■感想
過去を見ることができる装置は面白いが、最初に仕組みを隠すために説明したことも、あながちできなくないのでは?と思ってしまった。過去を見るよりも現実性はありそうな気がした。タイム・ウィンドウを使って過去へ物を送る。その結果、相棒が犠牲となる。どうやっても過去は変えられないということだが、その理論でいくとダグの存在がどうなるのかというタイムパラドックスの問題にぶち当たってしまう。しかし、それらを本作は一切無視している。単純に面白ければ良いというハリウッド的な豪快さだ。

ダグがデジャブを感じるというところに、微妙に頭がこんがらがってしまった。デジャブを感じるということは、過去に出会っていたということ。それはつまりダグとしては彼女と出合った結果、ある出来事に遭遇するはずだ。そうなると、今その時点にダグがいる事に矛盾が生じるような気がした。細かいことは一切考えず、ダグが未来から過去へとタイムスリップし、美しい女性を助けるというハリウッド的流れをしっかりと守っている。やはり大作としてある程度守らなければならない定番があるのだろう。

ダグが過去に行くことで起こるはずの出来事が起こらず、死ぬはずの人物が死ななかった結果、未来はどのように変わるのか。はっきりいえば本作の結末の後、ダグはどうなるのかということが気になってしまった。フェリー爆破事件が起きなければダグがタイム・ウィンドウと出会うこともなく、その結果過去に行くこともない。となると…。ついつい余計なことを考えてしまうほど周りを無視したダグと女だけの局地的な物語なので、無駄な考えは捨てるしかない。

ハリウッド大作なので、何も考えず素直に見るにはいいかもしれない。



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