252 生存者あり


 2010.11.17  新橋駅水没は衝撃的 【252 生存者あり】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
自然災害によって新橋駅が壊滅する。身近な場所だけに、新橋がここまでめちゃくちゃになるほどの災害ならば、その他の場所もタダではすまないのではないかとまず思った。局所的なことだとしても、未曾有の大災害にしては関係者が少なく、現場レベルでの緊迫感が足りないように感じた。地下に閉じ込められた際のサバイバル感はとてもよくあらわれており、生死を分ける決断や、生き残るためにやらなければならないこと。そして、なにより2,5,2というリズムが生存者ありだという合図だとは知らなかった。地下に閉じ込められた者たちが強力しながら救出を待つ。なんとなくだが、海猿を連想させる流れだ。というか、俳優的にも海猿を連想せざるお得ない。

■ストーリー

発端は首都圏を襲った直下型地震。その強大なエネルギーが自然災害の連鎖を引き起こし、太平洋上に発生した史上最大の巨大台風を引き寄せ、臨海都心を直撃。そんな中で展開する、地下の駅構内に閉じ込められた人々と、巨大台風の猛威をついて命がけの救助を続けるハイパーレスキュー隊の決死の活躍を、双方向で描いた究極の人間ドラマ。 「絶対に生きて還る」。「絶対に助け出す」。地下と地上。脱出と救出。

■感想
海猿が海上保安官なら、本作はレスキュー隊だ。最初に度肝を抜かれるのは、いくら災害だからといって新橋がめちゃくちゃになり、水没するのかということだ。作中の雰囲気からすると、新橋だけが水没し、他の場所はそれほど被害を受けていないようにみえた。現実的にそんなことがありえるのか。ハリウッド映画でいえば、世界的な危機のはずなのにアメリカだけですべてを決定し、隕石にスペースシャトルを突撃させるようなものだ。本作ではまるで新橋が日本のすべてかのように描かれている。ドロドロの新橋と、綺麗なオフィスビルが立ち並ぶそれ以外の場所。なんだかものすごく違和感を覚えた。

本作は海猿の陸上版だといっていいだろう。「生きる」ことと、「助け出す」ことがそれぞれの思いと共に描かれている。お決まりどおり、過去の出来事がトラウマとなり、決断や行動の足かせとなる。その他には、地下に閉じ込められた者たちが、偶然にも医者の卵であったり、元レスキュー隊であったり、偶然持っていた熱帯魚の水槽循環装置が怪我人の輸血に役立ったりと、わかりやすい協力関係が描かれている。最初から皆が強力し合うのではなく、諍いがありながらも最後には一致団結する。山あり谷あり、一つの危機を逃れたかと思うと新たな危機がおとずれる。輸血シーンは思わず顔を歪めてしまうほど痛々しいが、物語の流れとして、このメンバーは最後まで生き残るという安心感があった。

ラストには一致団結し、むちゃな救出作戦を行おうとする。香椎由宇の存在がイマイチ場の雰囲気にそぐわないが、第三者的な目線として必要なのだろう。地下に閉じ込められた人々を無事救出した安心感と、全員救出成功かと思われた直後の危機。まさに定番ともいえる展開となっている。そこからどうやって助けだすのか、あとは奇跡を願うしかないというときに、奇跡が起きる。日本版デイアフタートゥモローという感じかもしれないが、ラストはハッピーエンドとなっている。悲劇的な終わり方のほうがより印象に残りやすいが、本作は安定した結末を選んでいる。

海猿シリーズの番外編といわれても、まったく気付かずに見てしまうかもしれない。



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