陽気なギャングが地球を回す


2007.7.15 配役が良いだけに勿体無い 【陽気なギャングが地球を回す】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
原作の面白さをどれだけ表現しているのか。確かに映像として楽しませようというのがよくわかり、それなりに楽しむことができる。キャラクター的にも個性溢れる俳優が演じることで、とても良い味をだしている。ただ、トータルとして見るとストーリーがわかりにくく、全体的に雑な印象を受けた。もともと原作自体が複雑で、細部にわたって伏線を生かすような作品なので、細かい部分をはしょった本作では、面白さは半減してしまう。キャラクターの面白さだけで勝負しようとしたの
だろうか。

■ストーリー

人の嘘を見破ることができる成瀬、正確な体内時計を持つ雪子、演説の達人・響野、若いのに天才的なスリの才能を持つ久遠。こんな4人が組んで銀行強盗を。完璧な強盗をやり遂げた彼らだが、覆面をした4人組にその金を持ち逃げされてしまう。その強奪された金を取り戻すべく、成瀬らはさらなる奇抜な仕掛けを駆使した計画を実行に移すことに!

■感想
カラフルな映像とCGをふんだんに使った面白い映像。原作の売りでもある、濃いキャラクターたちの面白い会話。この会話の一つ一つにはセンスがあり、とても魅力を感じる。本作はこのキャラクターとセリフに関しては、十分に原作の面白さが表現できていると思う。特に佐藤浩市の響野から、あのルックスは想像していなかったが、まさにぴったり来る配役だと思った。恐らく原作を読むときは、佐藤浩市をイメージしてしまうだろう。

その他のキャラクターたちも十分原作のイメージを損なわないできだった。そこまでは申し分ないのだが、原作がとても複雑なだけに、その複雑さを綺麗にまとめるのはやはり難しかったのだろう。原作を読んでいても、なかなかストリーを追いかけるのが大変だった。原作を未読ならば、混乱して何がなんだかわからなくなるかもしれない。

セリフの面白さと映像のスタイリッシュさ。それだけでは、すべてをカバーできなかったようで、正直途中で飽きてしまった。あっと驚くようなサプライズもなく、脇役的なキャラクターの重要性が軽視されているために、伏線が死んでしまった。久遠がしつこいくらいに動物を愛するということも、原作を読んでいればわかるが本作だけを見て、それを理解できるのだろうか。

好きなタイプの作品だけに、非常に惜しい感じがした。さらにキャラクターが秀逸なだけに、ストーリーがわかりにくかったのが非常に勿体ない。本作がヒットすれば
続編も作られただけに、悔やまれる。



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