予知夢 東野圭吾


2005.4.23 キャラの魅力 【予知夢】

                     
■ヒトコト感想
キャラクターの雰囲気が京極夏彦の作品に出てくる京極堂に似ている。
物理学者と陰陽師という共通点はないが、二人とも狂言回し役から話しを聞いた時点で
ほぼ事件の全容を理解し解明している。
どちらのキャラクターもきっぱりと言い切るところや、なんとなく高飛車なところが良い
キャラクターの魅力に支えられている作品だ。

■ストーリー
「探偵ガリレオ」シリーズ2作目。帝都大学理工学部物理学科助教授、
探偵ガリレオこと湯川学が、摩訶不思議な事件を論理的に解決していく、本格推理短編集である。
素封家の屋敷に侵入者があった。犯人は27歳の青年。
2階で眠っていた娘を襲おうとしたらしい。逮捕された犯人は、17年前、その少女と結婚する夢を見たという。
夢に現れた少女が現実に存在するとは? 予知夢はあるのか?

■感想
キャラクターの魅力もさることながら、やはりミステリーの部分もすばらしいと思う。
ただどうせ科学的に解明するならば、もっと奇想天外でオカルト的な理由以外では説明できない
ようなことを解き明かすするような感じにしてほしかった。
本作の事件は放っておけば普通の事件として処理されてしまうような事件が多かったので。

印象に残っている作品は最初の「夢想る(ゆめみる)」で、これを読むことによって
一気に作品の世界に引き込まれた。やはり最初の事件のインパクトが重要だと思った。
ここで面白くなければ途端に読むテンションも下がってしまうだろう。
短編は特にそれが重要だと思う。

東野圭吾の短編を読むと毎回思うのだが、すらすらと読み進めることができるので
かなり早く読み終わってしまう。
長編と比べると物語的に物足りないような気がしてならない。
本作のキャラクターを活かして長編作品を書いて貰いたい。
もしかしたらすでにあるが僕が知らないだけかも。




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