私が彼を殺した 東野圭吾


2005.5.28 正直、僕には難しかった 【私が彼を殺した】

                     
■ヒトコト感想
どちらかが彼女を殺したと同じ手法で最後まで犯人が特定されない。
前回は解説を読むことにより犯人を特定することができ、
その判断理由も納得できるものだったが、本作は解説を読んでも
理解不能で、ネットで調べてなんとか分かったという感じだ。
かなりレベルが高く、難しかった。
僕にはちょっと消化不良かもしれない。


■ストーリー
婚約中の男性の自宅に突然現れた1人の女性。
男に裏切られたことを知った彼女は服毒自殺をはかった。男は自分との関わりを隠そうとする。
醜い愛憎の果て、殺人は起こった。容疑者は3人。
事件の鍵は女が残した毒入りカプセルの数とその行方。
あなたは加賀刑事が探りあてた真相にたどりつくことができるのか・・・

■感想
最後まで犯人が分からないとストレスがたまる、しかしそのストレスも
真の犯人が自分の予想したとおりか、トリックが理解できれば
快感に変わるだろう。前作はまさにそんな感じだった。
それと比較すると本作はトリックが複雑で難しく、3人の一人称で繰り返される
という作風から、僕の頭が追いつかなかったと言っても良いだろう。
なので、読み終わってからもストレスはたまりっぱなしだ。

なんだかんだ言っても犯人は気になるのでネットで調べると、親切丁寧に
トリックと犯人が説明されている。しかしどれも決定的とは言えず
矛盾やミスがあるというような解説が付いていた。
さすがに複雑過ぎてミスをするのはしょうがないと思うが、
説明を読んでも、雲間に太陽が指すようなどんよりした気分から
晴れやかな気分になることはできなかった。

結局その気分を引きずってしまい、内容的にはそれほど悪くはないと思うのだが、
最後の印象で全てが決まってしまったような感じだ。

本作の方式を否定するつもりはないが、トリックを複雑にしすぎるとそれに対応できない
人は多くなり、そのせいで最終的に低い評価を与えられてしまうかもしれない。
ターゲットが推理小説大好き!な人であれば問題ないと思うが、
東野作品が好きな人の中には推理小説よりも作風や構成が好きな人もいると思うので・・・
まあ、これはものすごく個人的な意見だが。




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