どちらかが彼女を殺した 東野圭吾


2005.5.7 犯人が最後まで特定されないと・・ 【どちらかが彼女を殺した】

                     
■ヒトコト感想
物語を通してそれほどのめり込めるということはなかった。 最後まで犯人を特定せずに終わっていたら、 多分ものすごく納得いかなかっただろう。 文庫ということで巻末に袋とじがあり、それを読むことである意味自分の 推理が当たっていることが確信でき、納得できてスッキリとした。 これがなければやばかった。

■ストーリー
最愛の妹が偽装を施され殺害された。愛知県警豊橋署に勤務する兄・和泉康正は 独自の"現場検証"の結果、容疑者を二人に絞り込む。 一人は妹の親友。もう一人は、かつての恋人。妹の復讐に燃え真犯人に肉迫する兄、 その前に立ちはだかる練馬署の加賀刑事。殺したのは男か?女か?

■感想
物語を読んでいくうちにある程度トリックが絞り込まれてくるが、 どうしてもそれだけで犯人特定に繋がるのかが納得できない場面もあった。 状況証拠のみであとは自白だよりなのか? とそんな感じで考えつつも読み進めてきたが、最後に加賀刑事が 全てわかっているような素振りをみせたのにはしびれた。 なんでもお見通しなんだね。

最後に袋とじがあってホントに良かったと思う。 犯人が特定されないというのは事前に分かっていたことだが、それが 実際に目の前に起きるとかなりストレスはたまる。 袋とじのおかげで最後はスッキリすることができた。

最後に決めてとなる状況証拠があるのだが、それがどうにも僕には当てはまらない ということがわかってしまったので、その点はちょっと納得できないか? まあ、全てが納得するようなトリックであればこれほど 面白い作品にはならないだろう。 どこか無理をしないとダメなんだろうね。

虚構の世界の話しに現実を持ち込むのは良くないが、実際の刑事はこれを証拠として 犯人逮捕につなげることは恐らくないだろう。




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