テッド・サイレンス


 2008.7.19  来るぞ来るぞという雰囲気 【デッド・サイレンス】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
腹話術人形にまつわるホラー。最初はチャッキーのように人形自体が次々と人を殺していくのかと思いきや、驚きの結末がまっていた。もしかしたら、最後のこの場面を表現したいがために、この設定を思いついたのだろうか。ラストのネタばらしはかなり強烈であり、想像するだけでもおぞましい。腹話術人形が元になり、次々と舌を抜かれて死んでいく人々。超常現象をまったく信用しない刑事が付きまとったり、謎を解き明かそうと必死に奔走するジェイミーであったり、ホラーの基本はしっかりと抑えられている。しかし、初期段階からその存在意義がかなり微妙だったジェイミーの継母が、最後にポイントとなってくるとは思わなかった。恐ろしさよりも、最後の意外性の方が勝つ作品だ。

■ストーリー

ある雨の夜、ジェイミーとリサの夫妻の元に送り主不明のトランクが届く。中には、ビリーと名付けられた腹話術人形が入っていた。その後ジェイミーが外出、帰宅するとリサが舌を切られて死んでいた。警察に容疑者扱いを受けたジェイミーは自ら事件の謎を解くべく、ビリーを持って故郷のレイブンズ・フェアへと向かう。そこには「人形」と「舌を抜く」という言葉の入った詩が言い伝えられていたのだった…。

■感想
まずこの腹話術の人形の表情が恐ろしい。半笑いであり、目だけが異様にぎょろぎょろとしている。それだけではなく、巧みな演出により、いつあの人形が襲い掛かってくるか、それをドキドキしながら見続けることになる。グロテスクな殺害方法もそうだが、人形というのは何故か恐ろしい。それも、何かありそうな、いわくつきであれほど神出鬼没であればなおさらだ。人々が恐れる伝説と、それに当てはまる詩。舌を抜くという意味と、その後に繋がる腹話術人形の意味。まさか生きている人間をそうするとは思わなかった。

人々が口にする噂を迷信とバカにしながら、殺人容疑でジェイミーを連行しようとする刑事。ありきたりだが、この超常現象をまったく信用しない刑事というのも大事だ。どこまでも現実主義でバカにしながらジェイミーを追いかける。そして、刑事とジェイミーがとうとう超常現象を目の当たりにする。この刑事がブルースウィルスっぽくて、やけに良い味をだしていたのも効果的なのだろう。刑事がもしかしたら、どうにかしてくれるかも、という一抹の期待をこめながら見ていた。

最終的にはかなり驚かさせられた。父親が車椅子生活というのもしっかりとした理由があり、継母が常に傍に寄り添っていたのも、ネタがわかれば納得ができる。ただ、その発想はなかった。まさに恐怖以外のなにものでもない。怪しげな腹話術の人形がどこかSAWに近いにおいを感じると思ったら、同じ監督だったのか。どうりで、あの得体の知れない恐怖感には納得できた。

グロテスクさや、恐怖感、何よりも最後のオチに衝撃を受けた。



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