探偵ガリレオ 東野圭吾


2005.6.16 小難しい理系なトリック 【探偵ガリレオ】

                     
■ヒトコト感想
事件を理系的な視点から解決する。それはよく分かるし面白いと思う。
しかしその事件があまりにも無理があるように思われる。
仕掛けがとても大がかりで、普通に考えれば絶対に実現できないようなことが
トリックだったりする。
そのへんも理系なのである程度は許せるが、
普通の人はわけが分からないかもしれない。

■ストーリー
突然、燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮んだデスマスク、
幽体離脱した少年…警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない難事件にぶつかったとき、
必ず訪ねる友人がいる。帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学。
常識を超えた謎に天才科学者が挑む

■感想
予知夢をすでに読んでいるので、それほど新鮮味は感じない。
ただし、予知夢よりも1話の密度が濃いような印象を受けた。
それに伴ってトリックも複雑になり、説明もかなり入り組んだ説明になっている。
これをすんなり理解して普通の事件として読み進めるには少し無理があるように
感じてしまった。

犯人がいかに専門家であろうとも、普通の事件でそこまで大がかりに
するだろうか??どうもその辺が決定的にリアリティに欠けているように
感じてしまった。まったくの虚構だとは分かっているが、
謎解きの部分であまりに複雑であり得ないような展開にちょっと
がっかりしてしまった。
予知夢の時はそれほど無理はなかったように感じたのに。

しかし、事件の導入部分やミステリアスな雰囲気はとてもよかった。
さすが東野作品という感じで、いったいどうやって実現されたのか?
超常現象が起きたのか?なんてことを考えながらトリックを
ものすごく気になってしまう。その期待が大きいほど
期待を裏切られたときの衝撃も大きい。

物語を盛り上げ期待させるだけさせて、解明されたことが小難しいと
その期待値がアダになってしまう。




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