シリアナ


2006.3.15 複雑すぎる社会派作品 【シリアナ】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
社会派作品はどれだけそのテーマに興味があるかで、印象も変るだろう。石油利権の問題や自爆テロなど最近のイラク問題に関わることなのでテーマ的には非常に興味を持って見ることができた。しかし難しかった。社会派作品を見慣れてはいるのだが、複雑すぎてその脚本の面白さをほとんど理解できなかった。大まかなストーリーは把握できるのだが、細かな伏線など意味がわからず非常にもったいない見方をしてしまった。何か大変なことが起きているというのは分かるが、その理由がわからない。まるで某国民の気持ちを代弁しているような作品だ。

■ストーリー

CIA諜報員ボブは、息子の進学を機に、キャリアに終止符を打とうと決心する…。一方、一流法律事務所の弁護士ベネットは、アメリカの巨大石油会社の合併調査を依頼される。又、ジュネーブ在住の石油アナリスト・ブライアンは、ある事件をきっかけに石油王の王子ナシールの相談役となる。そしてパキスタン人のワシームは、母国を離れ中東の油田で働いているが、過酷な労働と人間以下の生活に希望を失いかける…。

■感想
2回見れば理解は深まるのだろう。正直社会派作品は見慣れているはずだし、自分でも好きなジャンルなので多方面で難しいと言われていても、自分ならば大丈夫だという気持ちがあった。しかしいざ見てみるとその複雑さと入り組んだストーリーで混乱してしまった。いったい誰が味方で誰が敵なのか。登場人物達の関係性もぼんやりしてしまった。

細かい伏線らしいものがいくつかあり、それに気づいたのだが、それがどのような効果を及ぼしているのかを理解することができなかった。社会派作品なので何が善で、何が悪なのかを明確にされていないのも複雑にしている原因なのかもしれない。

今まで触れられなかったタブーを扱った作品という触れ込みと、渋めの役者達が演じているとなれば社会派好きにはたまらない作品のはずだ。恐らく今までの作品には例にないほどタブーに触れているのかもしれない。しかし結局これはノンフィクションでありながら、現実の問題と捉えることができなかった。それはやっぱり映画的な演出が入り、ジョージ・クルーニーがやり手CIA諜報部員であり、一人で極秘任務をこなすあたりは、さながらスパイ映画のようだ。

大変なことだというのは分かる。ノンフィクションだといわれてるとそのやばさも分かる。しかし、現実味がないように感じてしまうのはなぜだろうか。



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