2008.6.17 夢のステルスシステムだ 【ステルスX】 HOME
評価:3
■ヒトコト感想
どうやらステルスとは何の関係もないようだ。あらゆる航空機をステルス化してしまうという夢の”ゴルゴン・システム”。まさに未来の兵器という感じなのだが、物語の雰囲気は思いっきり現代だ。それもスパイが大活躍する原始的なテロとの戦いのような雰囲気さえある。ドキドキするようなドッグファイトやコンピュータ戦をイメージしていたのだが、非常に泥臭い戦いに終始していた。前半は騙し騙されのスパイ戦。後半は密閉された航空機内での制限時間付きのパニックアクションとでも言うべきだろうか。多少の緊迫感はあるのだが、航空機での激しさや爽快感は一切無い。感動を引き起こすまでのひりつくような緊張感もなんだか足りないような気がした。
■ストーリー
最新ステルス・システムを搭載したロシア空軍機を巡る、テロリストの陰謀と世界の危機を描くスカイ・アクション!ロシアが極秘開発した“ゴルゴン・システム”。それはあらゆる航空機をステルス化する、究極の戦略兵器だった。開発者のオルガを乗せた爆撃機“07”は演習に出発。しかし、その機内にはテロリストのコントロール装置が仕掛けられていた…。
■感想
脅威のステルスシステムと、それを狙う謎のテロリスト。ステルスシステムの原理が一切説明されないまま、システムを起動するだけで他の航空機までもがステルス化してしまう。まさに夢のシステムなのだがはっきり言って、ステルスという目に見えない効果を映画として用いるには厳しいように感じた。相対する敵戦闘機との激しい戦闘があるわけではないので、ただレーダーから消えたというだけなのではちょっとインパクトが足りない。そのすごさは感じ取ることはできるが、ビジュアル的な印象が少なすぎる。
前半がスパイもの、そして後半がドッグファイト。ステルスではまさにスピード感抜群で、息もつかせぬ戦闘シーンに迫力があったのだが、本作はちょっとした密室といってもいいのかもしれない。ドッグファイトというよりも、密閉された航空機の中、テロリストが仕掛けた罠を防ぐために、必死に狭い機内を行き来する。ドッグファイトの爽快感とは対極にある場面ばかりが登場してくる。そして、その緊迫感だけで最後までもっていこうとする。これでは、感動できるものも感動できない。
演習に出発する直前の緊張感が本作のピークなのかもしれない。これから何が起こるのか?そして、ゴルゴンシステムの全容がとうとう明らかに…。その期待感をしぼませるのに、それほど時間はかからなかった。
タイトルが似ているからといって、確実に繋がりがあるわけではない。そして、パッケージやあおり文句に騙されてはいけないというのはわかっていたつもりだが、どうしても期待してしまう。そんな作品に限って、ものすごく興味を引かれるキャッチコピーや予告を流してくるからたまらない。
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