獅子の門 朱雀編 


2007.12.18 久我重明大活躍 【獅子の門 朱雀編】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
本作の隠れた主役と勝手に思っている久我重明がまたしても大活躍だ。本作に登場する数々の強者たちを圧倒的な強さと残虐さで倒す。主役候補の中で一番の強者と思わしき竹智完と久我重明の戦い。そして、羽柴彦六との宿命の対決。ぴりぴりとした空気感と、ひりつくような緊迫感。よーいドンで始まる戦いではない、まさに殺し合いを繰り広げる二人。純粋な素手による戦いだけでなく、お互い小道具を駆使しながら、二手三手先を読む心理戦。バーリ・トゥードの登場により、空手、プロレスさえも巻き込むほど、大きな力をもつブラジル勢。それらさえも久我重明の前では敵にすらならない。やはり久我重明はすごすぎる。

■ストーリー

花巻の明光寺に居候していた竹智完のもとに、朱雀会の追っ手として久我重明があらわれた。同日、羽柴彦六もまた竹智を訪ねようとしていた…。闘いの行方は!?半年ほど後。鳴海塾で鍛錬を続ける芥菊千代、フジプロレスに入門した室戸武志、武林館で技を磨く加倉文平、久我重明に弟子入りした志村礼二、そして竹智完。若き獅子たちが一堂に集う武林館トーナメントが開催を迎える

■感想
若き獅子たち、とりわけ、その中でも実力がぬきんでていると思われる竹智完。簡単に言えば、他の主役候補たちの師匠にあたるものたちと、対決するというような感じだろうか。芥菊千代の師匠である鳴海であったり、圧倒的強さを誇る羽柴彦六であったり。その中でもひときわ黒い輝きを放つ、久我重明との対決が見ものだ。圧倒的な強さを見せつける久我重明だが、やはり竹智完もそれなりの実力を見せている。後に始まるオープントーナメントに主役候補がすべて出場することになる。この流れならば、竹智完の圧倒的勝利で終わりそうだ。

竹智完との戦いでは多少真剣になりながらも、マジにはなっていない久我重明。そして、とうとう宿命のライバルである羽柴彦六との対決。本作に組み込まれている挿絵がイメージを膨らましている。凡庸とした風貌ながら、強さを見せる羽柴と全身黒ずくめ、一種異様な雰囲気をかもし出す久我。この挿絵の効果はかなり大きいと思う。すでに漫画版の餓狼伝で登場している久我重明が本作でもそのまま登場する。
圧倒的な雰囲気のある絵だ

主役候補がそれぞれ鍛えあげた技をとうとう発揮する場面がきた。そこで、唐突に登場する。室戸武志。今までの流れ的にいうと、格闘技に関してはほとんど素人のはずが、なぜか一番キャラ立ちしており、印象も強い。それは単純に技がすごいというわけではなく、素晴らしい肉体を持っているということなのだろう。どんなに打たれても耐え、そして、大きな一発をあて大逆転する。普通ではありえない、漫画的展開なだけに興味を惹かれてしまう。

またまた始まるトーナメント。この形式は物語を盛り上げるだけでなく、読者を引きつけて離すことがない。

白虎編



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