セクスペリエンス


2006.11.29 女の本性を見た気がする 【セクスペリエンス】

                     
■ヒトコト感想
男に蹂躙された女の物語というよりも、女の男に対する気持ち。心理的よりも肉体的、特に性欲に焦点が当てられている。主人公のフランだけでなくその友達のアンジーを含めて女の男に対する思いがつづられている。しかし本作を童貞が読めばそれなりにショックを受けるかもしれない。女は涼しい顔して頭の中では何を考えているかわからないと。(笑)それほどあからさまに女と男の関係が肉体的な部分をメインに語られている。肉体的な部分をメインに考えると、どうしても男が優位に考えがちだが本作は徹底的に女の強さというものが描かれている。

■ストーリー

傷つけられるだけの人生は、もうたくさんだ。男に蹂躙されたオーストラリアの女子学生フランは、耐えがたい苦しみを乗りこえ心に誓った。大学でも職場でもセクハラはやまない。フランはそんな卑劣な男たちに反撃を開始する。女ゆえに傷つけられるなら、女であることを武器に―。狡猾な敵のやり口を逆手にとった戦術で、彼女は立ち向かっていく。男社会で闘う全ての女性に捧げる痛快小説。

■感想
ジゴクラクでは賭博の世界の恐ろしさを存分に味わうことができたので、同じようなイメージで読んでしまった。最初こそバカラの場面が登場したが、それからあとはひたすら女と男の関係がつらつらと続いている。最後にはひりつくような緊迫した賭博シーンが登場する。賭博メインではないが、それが大きな影響力をもっていると感じさせられた。

女に対して天使のような幻想を抱いている人は読まないほうがいいかもしれない。女も一人の人間であり、男となんら変わらない部分もある。男に対しての復讐劇といいながらも、多少自業自得な部分もあるのではないかと感じてしまった。どうしても男的な見方をすると、本作の作者も男であるだけにある程度男的な考えで女を描いているのではないかと思ってしまった。

女の性欲はあると思うが、本作のフランやアンジーのような感じなのだろうか。どうもにわかに信じることはできなかった。この部分が本作のメインであり一番の売りな気がしてならないが、とても誇張されているような気がした。主人公が日本人ではないというのがこの大げさに誇張された部分を多少和らげているのかもしれないが・・・。

完全な男女平等とは思わないが、昔に比べたら女が有利な部分も多くなってきたと思う。そう考えると本作のように女が復讐に対して真剣になられると、世の男達は戦々恐々としなければならないだろう。



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