世界悪女大全


2007.10.10 知られざる世界の悪女たち 【世界悪女大全】

                     
■ヒトコト感想
世界の悪女を集めた本作。本作に登場する悪女たちにはほとんどなじみがない。まず、日本人が一人もいないというのと、主にヨーロッパ系がメインとなっているために、その歴史的背景を知らずして悪女っぷりを理解するのは難しかった。かろうじで知っているのは西太后やクレオパトラ、そしてダイアナ妃くらいなものだろう。そんななじみのない悪女たちの残酷さや淫乱さを語られても、あまり衝撃は受けなかった。中世ヨーロッパのホニャララ何世の恋人である、なんてことを言われてもおとぎ話のようにしか思えなかった。それらはすべて自分の知識の乏しさのせいなのだが…。

■ストーリー

七百人の娘を惨殺し、その血で湯浴みしたE・バートリ。十一歳にして三人の愛人がいた王妃マルゴ。西太后、則天武后、クレオパトラ、ジャクリーン・オナシス、ダイアナ妃…権力欲に満ち、淫乱で残酷な悪女は、野心のために国家まで滅ぼす。凄すぎる仰天エピソードを交え、古今東西の名高き悪女69人の魅力に迫った傑作人物伝。

■感想
世界の悪女と言われてすぐに思い浮かぶのは西太后だ。ただ、それも最近ある本を読んでちょっとイメージが変わりつつある。世界的には有名で、名も知られている悪女たち。しかし僕自身はその悪女をほとんど知らなかった。なんとなく名前は聞いたことがあるかもしれないが、具体的にどの時代に、どんなことをしたのかまったくイメージできなかった。本作を読むことで、理解が深まるかといえば、それも微妙だ。根本的に、中世ヨーロッパの知識不足が原因なのだろう。

ある程度予想していたよりも、悪女っぷりはすさまじかった。普通に想像するのとは規模が違う。金の使い方であったり、殺した人間の数であったり、まったく日本人の悪女と言われる人物が誰一人としてのっていないのもうなずける展開だ。規模のすさまじさはそれだけその女性に権力が集まっていたという証拠なのだろう。男がだらしなかったのか、女性がすごすぎたのか、今の時代にこの規模の悪女がでてくることはないのだろう。

名前を見てもあまりピンとこないが、そのすさまじい悪女っぷりもさることながら、合間に挿入される肖像画がとても恐ろしかった。
肖像画独特の睨むような表情と、全体的な暗い雰囲気。ちょうど音楽室に飾られている有名作曲家の肖像画をイメージすればいいだろう。普通の顔をしているのに怖い顔が、本作のように悪事を詳細に説明されたうえで見ると、その怖さは格段にアップする。

世界にはとんでもない女がいるものだと、シミジミ思ってしまった。



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