さおだけ屋はなぜ潰れないのか?


2006.12.3 潰れない店の疑問を解消 【さおだけ屋はなぜ潰れないのか?】

                     
■ヒトコト感想
会計を判りやすくそして簡単に説明してくれる。作者の作品はいくつか読んだことがある。確かに身近な例をもちいての会計仕組みを説明してくれるのは理解しやすい。普段なにげなく疑問に思っていた、流行らない店でも何故か潰れずに続いている理由などなんとなく理解できた。個人的に言えば企業の会計を個人に当てはめることができるというのには、少し納得できなかったが利益の仕組みや時間をお金で買う理由など、わかっていたようでも改めて説明されると自分が間違って認識していた部分があることに気づかされた。実用的とはいえないが、会計の取っ掛かりにはもってこいだ。

■ストーリー

日々の生活に転がっている「身近な疑問」から考えはじめることで、会計の重要なエッセンスを学んでいく。いわゆる「会計の入門書」ではない。細かい財務諸表はひとつも出てこない。専門用語もそれほど多くはないので、気楽に、ひとつの読み物として読むことができる作品。

■感想
タイトルにもなっているさおだけ屋が潰れない理由は、警察の犯罪捜査をカモフラージュするためとばかり思っていた(笑)都市伝説レベルをそのまま信じていた。さおだけ屋が潰れない理由が一例を用いて説明されていたが、どうもそれだけでは納得できない部分もある。しかし、現実として今さおだけ屋がいるのかどうかすらわからないので、追求するべき部分ではないのだろう。

キャッシュフローの話や時間をお金で買う話。確かに理論的には判っているのだが、それを実例をもとに説明されると「あー、こういうことだったんだ」と理解も早まる。しかしその理解した知識を実生活で応用できるかというと、これがまた難しい。頭では判っていても、それを実行するのが一番難しいのだ。そういった意味では企業の会計を個人にも当てはめるというのはあまりに無謀なことのように思えた。

女子大生会計士の事件簿はミステリー好きには入り込みやすい作品だった。本作は会計の入り口として利用するにはこれほど適したものはないと思う。正直、実例がすべてそのとおりだとは思わないが、ある程度誇張して理解しやすくするのも必要なことなのだろう。

今の時代、会計の知識があって無駄になることはないと思う。



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