2008.5.16 最高の人生の瞬間とは? 【最高の人生の見つけ方】
評価:3
■ヒトコト感想
モーガン・フリーマンとジャック・ニコルソン。この二人が余命いくばくもない偏屈な親父を演じ、人生最後にして最高のひと時を過ごす。これで感動しないはずがない。人生の終わりが見えてきて、初めて自分が今、何をやりたいかに気づく。この作品を今、見ることができて幸せかもしれない。死が間近にせまった老人たちが残りわずかな時間を必死に生きる様を見せられると、今の自分の境遇ならば何でもできそうな、そんな気がしてきた。後悔しない人生を過ごしたい。本作では金持ちだからこそできることも沢山あるのだが、そういった意味ではなく、純粋に悔いの無い人生を過ごすことが、最高なのだろうと感じた。
■ストーリー
自動車整備工のカーターと実業家で大金持ちのエドワードが入院先の病院で相部屋となる。方や見舞いに訪れる家族に囲まれ、方ややって来るのは秘書だけという2人には何の共通点もなかった。ところが、共に余命半年の末期ガンであることが判明し、カーターが死ぬ前にやっておきたいことをメモした“棺おけリスト”を見つけたエドワードはリストの実行を持ちかける。2人は周囲の反対を押し切って冒険の旅に出るのだった。
■感想
人生の最後に最高のひと時を過ごすには金が必要だ。なんてことを、もしかしたら本作を見た人は思うのかもしれない。しかし、それは間違っている。ある程度は必要かもしれないが、何よりも、”人生の最後にやり残したことがないようにしたい”という気持ち、つまり意思が一番大切なのではないかと思った。最後のひと時を家族と過ごすのも良し。憧れのスポーツカーに乗るも良し。美女に囲まれるのも良し。ただ、漫然と病院のベッドで死を待つよりは数倍マシだろう。
昔、死ぬまでにしたい10のことという映画を見た。死に対して悲壮感は漂ってはいないが泣けてくる。後に残した人のことを考えるととても悲しくなる。本作とは死のシチュエーションが異なるのだが、本作はまったく悲壮感といのは漂っていない。ラストで泣けるということもない。妙にさわやかで全てをやりきっておめでとうというように、満足感と感動が押し寄せてくるばかりだ。若くして死ぬのとまた違うと言われればそうなのかもしれないが、僕の中では本作の方が好きだ。偏屈な老人たちが妙に素直になる瞬間がとても好きだ。
主役二人はもちろんだが、妙に気になったのはエドワードの秘書だ。二人の最後の人生をしっかりとサポートし、めちゃくちゃな要求にも全て誠実に答えてきた秘書。エドワードに名前さえ覚えられないまま、エドワードの最後を見届ける。二人の最後の願いを叶えたのもこの秘書だ。天涯孤独状態のエドワードをサポートし、時には厳しいアドバイスもする。まさに秘書の鏡かもしれない。ラストシーンであるエベレストの頂上の場面では、さわやかな感動を味わうことができた。
金持ちの偏屈オヤジが死ぬ間際に贅の限りを尽くしたといってしまえばそうかもしれない。しかし、最高の人生の瞬間というものは、もしかしたら、絶対に死ぬ間際にしか気づくことができないのかもしれない。
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