恋愛写真 Collage of Our Life


2007.5.27 「ただ、君を愛してる」の元ネタ 【恋愛寫眞 Collage of Our Life】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
ただ、君を愛してる」の原作の元ネタともいえる本作。しかしほとんど別物だといってもよい。「ただ~」に感銘を受け、本作を見たのだが役者と設定が違うだけでずいぶんとイメージが変わるものだと驚いている。宮崎あおいに対する広末涼子。玉木宏に対する松田龍平。それぞれ好みの問題なのだろうが、僕はあきらかに「ただ~」の方が好きだ。誠人が静流をNYまで追いかける理由も少し曖昧で、そこには純粋な愛のためにという雰囲気は薄れている。そして極めつけはNYでの静流探しが、なんだかすこしミステリー風になっているところだろうか。最後の結末もミステリーの定番を踏襲している。

■ストーリー

大学時代の恋人・静流(しずる)から、NYで写真の個展を開くという手紙を受け取ったカメラマンの誠人(まこと)。同じ夢を追いかけながら、方やしょぼくれたカメラマンである誠人。方やNYで大成功した静流。特別興味のなかった誠人だが、偶然参加した同窓会で静流が死んだという噂を聞く。誠人は事の真相を確かめるべく、ひとりNYへ向かう…。

■感想
本作の監督は「トリック」などを撮った堤監督だ。奇をてらった映像など一味違う雰囲気をだしていたのだが、本作に限ってはわりと普通な王道的作品となっている。もともとの物語は恋愛がメインだったのか、それとも行方不明の静流を探すミステリーがメインだったのか、今となってはわからない。タイトルには恋愛とついてはいるが、実際には恋愛よりもNYという異国の地での捜索がメインのような気もした。

静流のキャラクターが「ただ~」とはまた違った意味で個性的だ。天真爛漫な不思議少女というのは同じなのだが、どこかとらえどころの無い、そして何を考えているのかわからない奇妙さは本作の方が上だ。もしかしたらそれは役者の影響が大きいのかもしれないが、どうも本作の静流をすんなりと受け入れることができない自分がいた。

NYのシーンでは和製英語的な発音で必死に話をする誠人。怪しい登場人物たちと静流を捜索する。そこには写真がうまい具合にヒントになりながら、少しづつ静流が通ってきた足取りをつかむことができる。このあたりはまるっきりミステリーと言っても過言ではないだろう。それにしてもラストのオチは違った意味でそうなるとは思わなかった。恋愛写真というタイトルが吹き飛ぶほど、なんだか
古臭いベタベタな韓国映画を見ているような気にさえなってきた。

「ただ君を愛してる」繋がりで見た本作。ベースは同じだが、思っていたよりもかけ離れた雰囲気に少し驚いた。



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