ただ君を愛してる


2007.4.29 宮崎あおいの強烈な存在感 【ただ君を愛してる】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
衝撃を受けた。内容よりも主演の宮崎あおいの演技に。内容は感動純愛物で、特にこのジャンルが好きではないので案の定最後に泣けるようなことはなかった。しかしこの静流というキャラクターだけは心にしっかりと残っている。誠人役の玉木宏もそれなりによかったがやはり宮崎あおいの存在感には負けていた。正直この女優は演技をせずに自がこんな感じではないかと思うほど役にはまりきっていた。微妙な恋愛心理や、誠人との掛け合い。一つ一つの表情にいくつもの感情が含まれ、不器用な静流を好演している。もちろんそれ以外にも森の中でのキスシーンの映像の綺麗さにもみとれてしまった。

■ストーリー

大学で知り合った誠人(玉木宏)と静流(宮崎あおい)は、それぞれが抱えるコンプレックスに惹かれ合うかのように仲良くなる。淡い恋心を誠人にいだく静流と友達としか見ていない誠人。ある日誠人の趣味であるカメラにも興味を示す静流。それぞれ自分の恋愛に一歩踏み込めないまま、曖昧だが幸せな時はすぎていく。やがて、別れ別れになったふたりの運命は、NYでひとつになるのだが…。

■感想
ステレオタイプの色気の無い女の子の静流。そしてちょっとイケメンすぎる誠人。イケメン役ではないはずだが、役者が役者だけにイケメン風になっている。対する静流は雰囲気そのままに、色気はないが、個性的でしっかりと自分の信念をもち、不器用に誠人に恋する女を宮崎あおいが好演している。子どもっぽく誠人を罵倒したかと思えば悲しげな表情を浮かべる。かなわない恋と知りながら必死に思い続けるそのけなげな姿を見ると、心からジーンときてしまう。この役は宮崎あおい以外ではこれほどの雰囲気をだせなかっただろう。

終盤に登場する森の中でのキスシーン。このシーンは場所、天気、役者、雰囲気全てがそろっていなければこれほど綺麗な映像を表現することはできないだろう。ただ景色が綺麗なだけではなく、二人の緊張しながらもおずおずと相手の背中に手をまわすシーンなど、今までの積み重ねがあったからこそこれほど綺麗に見せる雰囲気が完成している。DVDのパッケージになるほど淡い感じではなく、はっきりとした映像だが、
頭の中は淡い雰囲気でいっぱいだ。

最終的にはお決まりのように泣かせる展開が待っている。うすうす感じ取ることができるのだが、最後に泣けるか泣けないかの違いは、純粋かそうでないかの違いだろうか。すでに世間の酸いも甘いも大方知っている僕にとっては純愛に対して感動はするが、泣けるまでには至らなかった。もしかしたら泣かない人の方が少数派なのかもしれない。基本的に純愛物で泣くことがない種類の人間なので、これに関してはほとんど参考にならないと思う。

邦画のそれも純愛物でこれほど感動するとは思えなかった。実際に全てではないが、あるシーンなどはそこだけピックアップして二度見してしまうほどだからだ。



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