恋愛時代 下 


2007.2.8 別れても好きな人 【恋愛時代 下】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
一度結婚をし、その後離婚という決断をした元夫婦がどのような心境でもう一度やり直そうと思うのか。普通ならば考えられない展開だが、漫画的でもありアニメ的でもある。よくある幼馴染で喧嘩ばかりしているが相手のことが気になって仕方がない。そんな状況に近いのかもしれない。上巻からの予想どおり元鞘に納まるかと思いきや、土壇場で高校の同級生が登場する。流れ的にはこのまますんなり行くとは思えなかったが、結局そのとおりとなった。予想通りのハッピーエンドだが、少々強引に感じる部分もあった。

■ストーリー

お互いの結婚相手を紹介し合う二人だが、何も進展しない。そんな時、理一郎は高校の同級生と再会。再婚話がとんとん拍子で進んでしまう。めでたくウエディングベルが鳴ろうとする時、はるは偶然にも彼が隠す“優しい秘密”を知ることに。「そんな…」忘れていた気持ちを思い出した彼女がとった行動とは?

■感想
別れても好きな人。そんな演歌のタイトルのような表現がぴったりとはまる本作。別れた原因が原因だけに、単純に考えることはできないのだろう。それでも、一度別れた夫婦がお互い新たな出会いもあり、新しい道に進むチャンスがありながら元に戻ろうとする。そんなありえない展開が不自然なく、まるで自然なことのように繰り広げられる。二人に振り回される周りの人々はいい迷惑なのかもしれないが、そんな世間体的なことは一切考える脳のキャパシティーはないのだろう。これが恋愛脳なのか。

昔からあるパターンの、喧嘩しても好きな人という王道だ。今ではツンデレというような言葉があるが、このころは素直になれない二人をどんな言葉で表現してよいのかわからないが、とてもいじらしくそしてほほえましく感じた。高校の同窓会で知り合った同級生とトントン拍子に結婚話が持ち上がったり、都合よく前の奥さんが神父役をすることに周りが同意してくれたり。ありえない展開が多数あるがツンデレの前には全てが霞んでしまう。

最終的には夫婦のちょっとしたある出来事から、本来なら波風たたない幸せな夫婦のはずだったのに全てが一度崩壊し、その後より強力な接着剤で絆が深まった。そんな感じかもしれない。ある程度年齢がいった人ならば読んでいて共感できる部分もあるだろう。しかしこれを十代や二十代前半の人が読んだらどう思うか。実際に結婚を経験、もしくはそれを意識する人でないとわからない部分もあるかもしれない。

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