ライラの冒険


2008.3.5 ニコール・キッドマンの存在感 【ライラの冒険 黄金の羅針盤】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
子供が主役の冒険ファンタジー。動物が普通に話をする時点でかなりのファンタジー具合だが、この動物が良い。CGで作りこまれた表情だとわかるのだが、一つ一つの演技が非常に細かく、白熊や猫など現実世界ならば表情を読み取るなんてできるはずないのだが、どこかで見てきたように、場面に合わせた素晴らしい表情を形作っている。映像的なすばらしさはもちろんだが、キャラクターとしても魅力的な者が多数登場する。主人公であるライラよりもニコール・キッドマン扮する婦人の圧倒的な存在感は素晴らしいものがある。彼女がでてくるたびに、画面全体が緊張感にみなぎるような、そんな雰囲気さえ感じてしまった。

■ストーリー

12歳のおてんば少女ライラは、何者かに連れ去られた親友ロジャーを探すために守護精霊のパンタライモンと共に北の国へと冒険の旅に出る。しかし、真実を示すという「黄金の羅針盤」に導かれ進んでいく旅の行く末には、全世界を巻き込む驚くべき戦いが待ち受けていた…。

■感想
一見すると子供向けに思われがちだが、大人でも十分に楽しめる。動物のかわいらしさや、主人公の女の子のおてんば少女っぷりを見ると子供はすんなりと入り込めるだろう。大人はニコール・キッドマンの雰囲気にやられるはずだ。当然ファンタジーなので、物語としてはある程度予定調和的な部分がある。主人公の周辺には力強い仲間たちが集い、たいした理由もなく皆がそろって協力してくれる。そして、悪を倒すというような冒険モノの王道ともいえる展開。安心して見られるが、ちょっと刺激が足りないのは事実か。

動物が普通に人間と話をすることに最初は違和感を覚えたが、それも最初の10分だけだ。人間と動物が共存する世界というのもおかしいのかもしれないが、普通に白熊がバケツに入ったウィスキーを飲む場面など、すんなり受け入れることができた。本作のメインの一つでもある白熊。顔自体はかわいらしいのだが、低いダミ声と、激しい動きから、ぬいぐるみのようなかわいらしさを吹き飛ばしている。触ったらやわらかそうな真っ白い毛はとても魅力的だが。

本作が何部作なのかわからないが、このテンションをどこまで保つことができるのだろうか。原作を未読な者としては、ロード・オブ・ザ・リングに始まり、ハリー・ポッター。そして最近ではナルニア国物語など似たような作品は多数ある。本作の個性である動物をどこまで魅力的に見せることができるのか。今のところ羅針盤の効果をそれほど感じることはできない。今後、どういった流れになるかわからないが、動物メインであればある程度の人気は保てるだろう。

それにしてもニコール・キッドマンの、あの美しさはどうなってるんだ。すでに四十を超えているはずなのだが…。まさに魔女的だ。



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