2006.2.27 とことん値切る身代金 【プルーフ・オブ・ライフ】
評価:3
■ヒトコト感想
誘拐事件の交渉で身代金を値切るってのは一般的なのだろうか?日本で起こる誘拐事件で身代金を値切ったなんて聞いたことがない。国際的な誘拐事件ではわりと当たり前のことなのだろう。テリーが誘拐犯との交渉も行いながら、肝心なところでは激しい銃撃戦をこなしたりとまさに万能の働きをしている。前半の緊迫した犯人との交渉と、囚われの身となったピーターの辛く苦しい人質生活。そこから場面は急激に変化し人質救出のために直接的な奪還計画を遂行する。いろいろな要素を楽しめる作品だ。
■ストーリー
国際的誘拐事件を専門に扱う、保険会社の敏腕交渉人テリー(ラッセル・クロウ)。南米の国テカラで反政府ゲリラに誘拐された、アメリカ人のダム建設技師、ピーターの事件を担当することになった。ところが交渉半ばにして、ピーターの会社が経営危機から保険をキャンセルしていたことが発覚。一度は事件を離れるテリーだが、ピーターの妻アリスに哀願され、独自に交渉を進める決意をする。
■感想
実際に国際誘拐事件を専門に扱う保険会社は存在するのだろうか。アメリカならば存在していてもおかしくないだろう。そこで敏腕交渉人として働くのも非常に危険が伴い、リスクが大きい仕事なのでさぞかし報酬もすばらしいことだろうという余計な勘繰りを入れてしまう。しかし、こんな職業があったら、ものすごく映画の題材になりやすい職業だ。
誘拐され過酷な状況での人質生活。目を背けたくなるような場面もあり、人質生活の過酷さを良くあらわしている。その場面から一転して、誘拐交渉を行っている場面が登場するのだが同じ国でありながらここまで生活基盤が違うものかという驚きを感じ。どこか、対岸の火のようにヌクヌクと生活しているように思えて仕方がなかった。しかし、誘拐交渉という部分では緊迫感を存分に感じることができた。
誘拐されたピーターの妻役として登場するメグ・ライアンがものすごく微妙だと感じた。夫を助けたいという気持ちが最初は強かったのだが、時間が経つにつれてテリーという人物に惹かれているのがありありと分かる。これでは本末転倒だ。いつの間にか二人の仲が親密になり、この段階ではピーターのことはすっかり忘れているような気がしなくもない。しかし、最後にピーターが戻ってくると、テリーの元から離れ幸せな生活を送る・・・。なんかテリーがものすごく惨めで、かわいそうに思えてしまった。
誘拐事件で生存確認費という、身代金とは別のものがあるというのも意外であった。日本では考えられないことで、アメリカならではの印象はぬぐいきれない。
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