ナチョ・リブレ 覆面の神様


2006.11.24 感動よりもコメディだ 【ナチョ・リブレ 覆面の神様】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
ジャック・ブラック主演。貧しい修道院のためにプロレスをする。このパターンはまさに感動物の王道だろう。しかし本作は予想に反してあまり感動はしない。それはなぜかと考えると、修道院のためにプロレスをしたのは最初だけ、最終的には自分が試合に勝ちたいという思いが先行していたからだ。キャラ的に面白キャラであるナチョがコミカルにプロレスをする姿を見ると笑いがこみ上げる。そして美人シスターに対してのわかりやすすぎる行動。なんだか修道院の子供達は二の次になっている。感動物と考えるよりもコメディ映画として見るほうが良いだろう。

■ストーリー

イグナシオ(愛称ナチョ)は、幼い頃に両親を亡くし、メキシコの修道院で育てられた。成長し、修道院の料理番として働くナチョ。そんな彼が新しくやってきたシスターにひとめぼれをする。先生のために食事のレベルをアップさせようと町に買い物に繰り出した彼だが、そのとき憧れのルチャ・ドール(メキシコのプロレスラー)のリッチぶりに遭遇。それを見たナチョは、賞金がかかったアマチュア大会にルチャ・ドールとして出場し、お金を稼ごうと決意。お金持ちになって、美人シスターやかわいい子供たちにおいしい食事をさせてあげようとするが。

■感想
子供達のために頑張ったのは最初だけだろう。貧しい食事中に子供達が野菜が食べたいと言ったのが非常に印象的だった。食事としては新鮮な野菜が豪華な食事らしい。そんなひもじい思いをしている子供のために頑張るナチョはまさに孤児院の子供達のために試合をするタイガーマスクだ。しかしタイガーマスクと決定的に違うのはナチョには不純な動機が多すぎるということと、見た目がどう見てもお笑い系だということだろう。

お笑い系な見た目でも、子供達と親密な関係から苦難を乗り越えて試合を勝つというような流れならば感動するだろう。スクール・オブ・ロックはまさにそんな感じだ。しかし本作は子供達との関わり合いがほとんど見られない。子供達が無口すぎるのだろうか。メインは修道院でもなく、子供達でもない。ただナチョが試合に勝ちたくて、そして美人シスターに振り向いてもらいたいだけだ。

結末間近では今までのコメディちっくな流れからとたんに感動物に仕立て上げようとしている。今更突然雰囲気を変えようとしても当然無理なことで、なんだか最後は中途半端になっている。どうせならば最後まで徹底的にコメディを貫いてほしかった。

あのアフロな風貌と小太りな体型。もう少し子供達との心温まる交流なりがあれば、金八先生のように感動させることは十分にできたと思う。感動を求めるよりも、軽い気持ちでコメディを見る思いで見たほうがよい。



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