マイ・ブルーベリー・ナイツ


 2008.6.18  大人の恋愛映画 【マイ・ブルーベリー・ナイツ】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
失恋した女が旅先で様々な恋愛模様を見る。そして、自分の恋愛に気づくことになる…。恋人同士で見れば甘くせつなく、そして感動できる良い映画なのだろう。まさにデート映画にはもってこいの作品かもしれない。いくつかの登場人物たちの誰かに感情移入し、そして共感し、最後には泣き出す。それなりに恋愛経験をつんだ大人ならば、何かしら心に響くものはあるだろう。いかにも映画的で魅力溢れる印象的なセリフまわし。ぼんやりと見ながらも、自然に作品の中に入り込んでしまった。泣けるか泣けないかは、その時の心理状態によるのかもしれないが、雰囲気的にはこれぞ、ザ・恋愛映画というにおいが溢れている。

■ストーリー

ニューヨーク。失恋したエリザベスは、とあるカフェに出入りするようになる。毎晩ブルーベリー・パイを残して待っていてくれるカフェのオーナー、ジェレミー。優しい彼との会話に、心が慰められるエリザベスだったが、失恋相手が新しい恋人といるところを見てしまい、旅へ出ることを決める。数々の人々と出会いながら、エリザベスはジェレミーが待つニューヨークへ戻りたいと思い始める・・・

■感想
ブルーベリー・パイというのがなんともオシャレだ。イケメンオーナーが一人の女性のために毎晩ブルーベリー・パイを残しておく。失恋した女性と共に閉店後のカフェでスイーツを食べる。この場面からして非日常だ。ちょっとしたジョークを交えた小粋なセリフ。練りに練ったであろうヒトコト、ヒトコトがものすごく印象深い。失恋の傷を癒すために旅にでたエリザベスの目的には共感できないが、環境を変えるという最も安易な方法をとったのだろう。エリザベスの目から通してみる他人の恋愛というのが本作のメインのように感じた。

様々な人々の恋愛模様を、傍観者としてではなく、ちょっとした関係者として眺めるエリザベス。この世界には三者三様の恋愛があり、それらが全てうまくいくわけではない。ちょっとした後悔や、すれ違い、エリザベスの心を突き動かすような衝動を与えてくれる出来事。ものすごく脚本として練られているのは良くわかる。合間合間のセリフも印象的で、静かな世界の中で、しっかりとした主張も感じられる。恋愛映画としてカップルで見るには良いのかもしれないが、一人っきりでボケーっと何も考えずに見ると、その良さがわからないかもしれない。

本作は何か原作があるのだろうか?話としてしっかり作りこまれているので、豪華キャストを用いただけの表面的な作品ではないような気がした。毎晩ブルーベリー・パイを食べる描写では、ちょっとした憧れのようなものを感じてしまったのだが、よく考えれば甘いものが苦手なので、到底ホールで食べるなんてことは無理だと気づいた。オシャレな雰囲気で大人なにおい漂う作品。ちょっと前の恋空大好きな人にとっては、もしかしたら意味がわからないなんて感想をもつかもしれない。

見る人を選ぶ大人の恋愛映画だ。



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