恋空


2007.12.27 ピュアな気持ちで見るべき 【恋空】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
パクリ疑惑がでている本作。ストーリー的にはありきたりなモノなので、そんな疑惑がでるのもしょうがないことだろう。展開がはやく次々と訪れる不幸の連続。不幸が続きながらも、かすかな幸せと、心温まるエピソードが盛り込まれている。このわかりやすさと、非日常感。中高生にとっては感情移入しやすく、簡単に物語の主人公となり、恋や悲劇を楽しむことができるのだろう。このわかりやすさと、期待を裏切らない展開は素晴らしいと思うが、それだけだ。薄っぺらい感動のように感じてしまうのは、作品の性質上しょうがないことなのかもしれない。何も考えずただ、物語を楽しむのが良いだろう。

■ストーリー

平凡な女子高生の美嘉(新垣結衣)は同じ高校に通うヒロ(三浦春馬)と運命的に出会い、瞬く間に恋に落ちるが、ヒロの元カノからの嫌がらせや妊娠など想像を絶する悲劇に見舞われてしまう。そのうえ、ヒロから一方的に別れを告げられた美嘉は心に大きな傷を負うが、ヒロと正反対の穏やかな優(小出恵介)と出会い、心癒されていく。

■感想
平凡な女子高生に突如訪れる悲劇。悲劇の主人公に感情移入し、幸せや不幸が数珠繋ぎに流れ込んでくる。一昔前のドラマのように、早い展開と圧倒的にありえないような流れ。実話らしいのだが、これほどまでの人生を経験することはなかなかないことだろう。そういった意味でも、お手軽にありえないような人生を経験できた気になる本作は、すぐれているのかもしれない。

本作がどれだけ女子中高生に人気があるのかわからないが、おそらくその上の世代にも大人気なのだろう。主人公が普通っぽい女優でありながら、強烈な存在感を示している。途中で直面する悲劇に対しても、それほど嫌悪感をもつような場面ではなく、今後訪れる幸せの
ちょっとしたスパイスにすらなっている。大きな流れとしては、悲しい恋の物語なのだが、山場が多数用意されており、速い展開とあいまって、飽きることがない。

万人受けはするのだろうが、その分深みは足りないような気がした。突っ込みどころは沢山あるが、それらに目くじらを立てる必要もない。純粋な気持ちで作品と向き合い、ピュアな気持ちで見れば、十分楽しめるのだろう。「そんなことあるわけない」というような気持ちで見ると、とたんにばかばかしくなるので、油断は禁物だ。

セカチューの流れに乗ったような作品と思っていたが、違っていた。携帯小説というものを読んだことはないが、おそらく相当読みやすいのだろう。余計な心情描写はなく、ストレートに出来事を表現してそうだ。そんな携帯小説を原作とした本作だけに、ストレートに観衆に与えるメッセージ性は強いと思う。



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