εに誓って 


2006.9.3 引っ張るのも限界か? 【εに誓って】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
Φは壊れたねから続くGシリーズなのだが、いい加減そろそろ何か黒幕らしき者の姿を現してもいいのではないか?ごまかしながら引っ張るのもそろそろ限界だろう。今回も真賀田四季が裏で糸を引いているような記述はあるのだが、それだけだ。謎の組織や謎の集団。結局なんだったのかという答えはない。壮大な前フリなのだろうか?これほど壮大な前フリをどのようにして決着をつけるのか。そろそろ何かしらの兆候が見えてもいいころだろう。

■ストーリー

山吹早月と加部谷恵美が乗車していた東京発中部国際空港行きの高速バスがジャックされた。犯人グループは、都市部に爆弾を仕掛けたという声明を出していた。乗客名簿には《εに誓って》という名前の謎の団体客が。《φは壊れたね》から続く不可思議な事件の連鎖を解く鍵を西之園萌絵らは見出すことができるのか?

■感想
昔からの看板キャラクターである萌絵、犀川この二人は確かにキャラクターとしては強烈な個性があると思う。その資産をずっと使い続けている。まるで一回ヒットした曲をひたすら歌い続ける演歌歌手のようだ。それに比べてGシリーズとして新たに登場したキャラクター達はインパクトも足りなければ、印象にも残らない。続き物としてすでに4冊このGシリーズを読んではいるが、まだキャラクターの特徴がつかめていない。映像として頭に浮かんでこないのだ。

決して形を現さない謎の組織。人を集団自殺に追いやるような謎のホームページ。宗教色が強いような雰囲気はこのGシリーズの特徴だろう。最初はものめずらしさもあったが、それが4巻も続くと、そろそろ飽きがくるのもしょうがないことなのかもしれない。森作品のほぼ全てに関係しているといってもいい、真賀田四季の名前を出せば喜ぶ読者もいるだろう。しかしそれも限界かもしれない。

シリーズ作品単体としては可もなく不可もなくといった感じだが、魅力を感じない。Gシリーズの特徴とでも言っていい、動機や理由が一切語られないのもいつものことだ。読む前にある程度予想できたのでそのことに対してそれほどショックはないのだが、あとあと考えると、これはミステリーとして成立しているのだろうか?なんて思ってしまった。

シリーズの最後まで暖かく見守ることができる人は読んでも良いかもしれない。



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