2005.3.13 原作のイメージを崩していない 【秘密】
評価:3
原作を読んでとても感動し、面白かったのですぐに映画をレンタルして見た。
原作ー>映画ってパターンは割と見ることが多い。
その時、毎回感じることは「原作を越える映画ってのは存在しないんだなぁー」
という考えれば当たり前のことを毎回思ってしまう。
原作は文字だけであとは読者の都合のいいように考えられるからそれに
勝てる映画なんて監督がそう思う以外はありえないよね。
本作は、今までの原作から映画のパターンの中ではかなり
イメージを壊さずにいい感じに感動できる作品になっていると僕は思った。
これは個人の原作イメージで変わるからなんともいえないんだけど。
バスの交通事故により母親(岸本加世子)が死に、娘(広末涼子)は生き残った。
しかし、生き残った娘の心は、死んだはずの母親のものだった。
それは残された父親(小林薫)と娘の秘密となったが、
夫婦なのか親子なのか、奇妙な生活は…。
まず、驚いたのが広末ってこんなに演技がうまかったっけ?ってこと。
おばさんの演技がめちゃくちゃうまい。時々妙に色っぽい表情をしたりと
とても当時19歳の演技とは思えなかった。父親役の小林薫も微妙な男心を
顔の表情だけで出しており広末とのからみもとても自然ですばらしかった。
原作と、映画の泣かせポイントが微妙に違っている。泣かせるという点では
竹内まりやの音楽が流れたりと演出しているぶん映画の方が簡単に泣いて
しまうかもしれない。ただし、広末が受け入れられない人にとっては一転して
ダメ映画と感じてしまうかもね。
娘と母親の演じ分けは微妙だったが、なんにせよ映画の大半を占める母親役が
すばらしかったので、全体的にすばらしく感じてしまう。
原作との印象の違いとしては、原作は女は欲張り、
映画は男は嫉妬深いという印象を受けた。
最後のオチも微妙に違っており、どちらが好きというのは好みが分かれるとことだろう。
原作は母親に女は欲張りな印象を受けたので父親の方に感情移入した僕としては
とても苦しかったが、その反動で最後のオチにとても感動した。
映画は母親が父親に対する愛情が薄れていないと感じたので、
苦しさはない分その反面、最後のオチは少し弱く感じてしまった。
僕が原作ー>映画のパターンで見た中では5本の指に入る作品かもしれない。
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