秘密 東野圭吾


2005.3.10 涙が出そうになった 【秘密】

                     

僕の中では東野圭吾作品第2弾である。
前回読んだ作品が面白かったので昔話題になった本作を読んでみた。

妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。
妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、
死んだはずの妻だった。
その日から杉田家の切なく奇妙な"秘密"の生活が始まった。

とても読みやすい、前作もそうだったがドンドン読み進められる、
いったい何が違うのか分からないがストレス無く読むことができた。
多分僕に合っているんだと思う。

読んでいるうちに父親に感情移入してしまい、親子であり、
夫婦である関係に苦しくなった。どうしても自分の立場で考えてしまい、
今の自分のパートナーにあてはめて考えてしまう。
束縛したいが、できない。相手が離れていくのは仕方がないという
あきらめの気持ちがとてもよく分かり、それらがとても悲しくなり、
愛する人と結ばれることができず、いずれ手の届かないところにいってしまう寂しさ、
それを思うと今自分がそうなったらと考えるだけでとても苦しくなった。
父親が心配なあまり、行き過ぎた行動を取ったときには
「そんなことするなよー」と自分の事のようにムカムカしたりもした。

後半は正直涙が出そうになった
電車の中で読んでいると涙をこらえて変な顔をしていたので
周りの人は怪しんでいたかもしれない。どうもこの手の話しに弱い。
泣きそうなツボが至る所にあり、こらえるのに大変だった。

秘密のタイトルの所以は最後のオチにあるのだが、
そのオチは確かに驚くことだろう。
しかし、僕は最初に自分が直子の立場だったらこうするだろうなぁーってことを
思っていたのである意味予定通りだったかもしれない。
しかし、流れ的にまさかそうなるとは思っていなかったので驚いたのは驚いたが。

映画化されているので近いうちに見ると思うが、原作の雰囲気がどれだけ
出ているのか少し楽しみだ。
前回、今回と当たりだったので東野作品の第三弾として何か他の作品も読もうと思う。




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