2007.5.11 三億円事件の真実? 【初恋】
評価:3
■ヒトコト感想
三億円事件の犯人は女子高生だった。この内容にも興味を引かれたが、本作を見た一番の原因は宮崎あおいだ。彼女が主演した、ただ君を愛してるのすさまじい演技を見せられ、自分の中では一躍注目女優となったので思わず本作を見ることになった。内容はともかくとして、確かに宮崎あおいは良い味をだしてはいるが、あまり目立った印象は無い。もっとミステリーっぽい作品かと思ったが、タイトルどおり女子高生の淡い初恋を感じさせるようにゆっくりと、そして静かな流れになっている。
■ストーリー
「心の傷に時効はないから」府中三億円強奪事件・犯人は女子高生--高校生のみすず(宮崎あおい)は、小さい頃から孤独だ。ある日、彼女はジャズ喫茶Bの前にいた。煙草の煙が立ち込めるフロアの奥に、兄の亮、そしてその友人たちがいた。その中でも異彩を放つ男、東大生の岸(小出恵介)。彼らと仲間になり変化を始めるみすずの生活。そして岸に対して生まれた、切ない感情…。そんなある日、岸がみすずに相談を持ちかける。「…現金輸送車から三億円を強奪しないか?」
■感想
キャラクター的にはみすずよりも岸の方がキャラ立ちしていた。演技云々よりもストーリー上のことなのだろうが、全体的に暗い雰囲気の中、岸だげかその心の奥底にある一本芯の通った心意気のようなものを感じることができた。それに比べるとみすずの立ち位置自体が曖昧で、下手するとただのお嬢様の気まぐれのように感じる危険性もある。
みすずの岸に対する淡い恋心と共に、本作のメインである三億円強奪だが、どうしてもそこにリアリティを感じることはできなかった。ただの平凡な女子高生であったみすずと学生の岸、そしてバイク屋の親父。いくら岸が頭脳明晰だと言ってもなんだか都合が良すぎるように感じた。リアルタイムには知らないが三億円事件のあの得たいの知れない恐ろしさのようなものを画面から感じとることができなかった。
全体の暗いトーンと共にみすずと岸。この二人は非常にマッチしていた。しかしその他のキャスト、特に実際に宮崎あおいの兄である亮が、本来ならもっとキャラ立ちしていなければならないはずなのに、ぼんやりとした印象しか残っていない。特に男前というわけでもなく、クセのあるキャラでもない。ものすごく薄っぺらく感じてしまった。
宮崎あおい繋がりでレンタルした本作。三億円事件というミステリアスな事件を題材にしており、かなり期待はしていたが、初恋というタイトルにもあるように、恋愛と事件がミックスされどちらもその強みを活かしきれていないように感じた。
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