2005.7.11 MMRのような強引さ 【白馬山荘殺人事件】
■ヒトコト感想
ありがちな山荘もの。
同著者の超殺人事件でミステリー小説のお約束な部分を揶揄していたが
本作はそれを丸ごと使っている。
確信犯ではなく、本作の方が先に発表されているので天然だろう。
暗号の難解さと強引さは昔マガジンでやっていたMMRのようだ。
■ストーリー
1年前の冬、「マリア様はいつ帰るのか」
という言葉を残して自殺した兄・公一の死に疑問を抱く女子大生ナオコは、
新友のマコトと兄の死んだ信州白馬のペンション『まざあ・ぐうす』を訪ねた。
マザー・グースの唄に秘められた謎。
ペンションに隠された過去とは?暗号と密室トリックの謎に挑む・・。
■感想
冒頭からかなり不自然な部分が多々ある。
なぜ毎年同じ客が同じ時期に同じ部屋に泊まるのか?ミステリー的には
明確な理由や裏話がありそうだが、最後までこれについては特に
触れられなかった。一部の人は毎年くる理由があるにしても全ての人が
来る理由はない。それを含めてかなり強引に物語の閉鎖性を強めている。
これをしないと容疑者が多すぎて収拾が着かないからだろう。
マザー・グースの歌を暗号として利用しているようだが、
その強引さにはかなりビックリしてしまった。暗号を解説している部分でも
まったく理解できずおいてけぼりをくってしまった。
一昔前にマガジンで強引でめちゃくちゃな予言をするMMRを思い出してしまった。
謎を複雑にしようとすればするほど強引になってしまうのだろう。
読後感はエピローグが二つあるなど、丁寧に書かれていて、その後のケアは
かなり重点的にされていると思う。東野作品にしてはかなり珍しい部類に入るだろう。
その印象が強く、読み終わった後にはそれなりに良い印象をもっているが
いざ、内容を思い出そうとしても暗号トリックが難解すぎて
それ以外の部分がちょっと霞んでしまった。
シンプルな山荘ミステリーであり、密室や暗号など純粋なミステリーファンには
なじみ深く、安心して見ることができる良作だが、僕はものすごく
平凡だと感じてしまった。
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