極道放浪記2 相棒への鎮魂歌 


2007.9.10 嘘かホントかはどうでもいい 【極道放浪記2 相棒への鎮魂歌】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
前作どうよう、嘘か本当かあぶない話がとても多い。前作では、ホントか嘘かそればかり考えながら読んでいたが、すでにどうでもよくなった。嘘だろうが本当だろうがどうでもいい。この面白さは別にノンフィクションという前提で成り立っているわけではない。フィクションとしても十分に面白いし、あぶなさも伝わってくる。ただ、作者のイメージからしてかけ離れたものなので、ギャップがあって楽しめるというのはほんの少しあるかもしれない。相変わらずの丁寧な語り口で、サラリととんでもないことを書いているあたり、なんとなく確信犯だと思った。

■ストーリー

「殺られてたまるか」の続編。ただし、その執行を猶予する/警視庁某警察署留置場見取り図/恐怖の十九番ホール/メンタンピン、ドラ一、拳銃一発/俺は米を買う金にシャブは売らねえ/ヤクザとマル暴デカの奇妙な関係、など嘘かホントか若気のいたりではすまない強烈なエピソードをユーモアまじえて語りつくす。

■感想
命のやり取りや目の前で人が殺されるのを何度も見たというのは大げさなのだろう。さすがにここまでいくと、すべてをバカ正直に信じる人も少ないと思う。本作までなると、読み手もある程度想像力を働かせる必要があるのだろう。作者が経験してきたことを多少の誇張と、小説的な脚色を加えて面白おかしく、そしてちょっとドキドキしながら楽しませてくれる。

なんども留置場を行ったり来たり、そして周りからも一目置かれる存在となる作者。今や作家としてもかなりの大物となったこの作者を、昔の仲間がそのままほっとくのだろうか。金に目がないものどもが、ハイエナのように群がってくるのではないだろうか。そんな余計な心配をしてしまった。まあ。もうほとんどが現役ではないから問題ないという感じなのだろうか。

よく若気のいたりを誇らしげに描く作品があるが、本作は決してそのような作品ではない。確かに自分のはちゃめちゃな人生を面白おかしく語っているのだが、根本には
相手を楽しませることが第一に考えられているのがよくわかる。

どこまで信じるかと言われると、すべてを信じるが、ところどころは大人の事情で判断する。もうそんなことはどうでもよくなってくるほど面白いからいいのだろう。



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