ボーン・アルティメイタム


2007.11.8 痺れるような爽快感 【ボーン・アルティメイタム】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
三部作の完結編。前回同様、激しいアクションとボーンの孤独な戦いは必見だろう。三部作とあって、冒頭から余計な説明が一切なく、いきなり激しいアクションになるのも良い。まどろっこしい説明なしで、いきなりボーンの実力をアクションシーンで説明している。ボーン対CIAという図式で、ボーン一人にいいように翻弄されるのも前回と同様。そして、今回はさらにパワーアップしている。本作の見所でもあるボーンのアクション。そして、相手の手口をすべて把握しているような的確な動きで、CIAの包囲網を突破していく。見ていて、痺れるような爽快感を感じることができる。

■ストーリー

ボーンが自らのアイデンティティーを求める旅も、ついに佳境を迎える。前作のラスト、モスクワから始まるボーンの隠密の旅は、その後、パリ、ロンドン、マドリッド、さらにモロッコのタンジールを経てニューヨークへと向かう。すっかり暗殺者の濡れ衣を着せられた彼は、CIAによる新たな「ブラックブライアー計画」が進むなか、またもや亡き者にされる運命にあった。

■感想
孤高の元殺し屋。巨大な組織に対して一人で立ち向かい、さらには組織を手玉にとるように逃げきるさまは、すばらしいとしか言いようがない。もちろん一人っきりで逃げる道中には、激しい銃撃戦やカーチェイスがある。そこはお決まりどおり、主人公は傷つくことはあっても死ぬことはない。ボロボロになりながら、必死に逃げる姿。ありえないほどぐちゃぐちゃな車で最後まで走りきる姿は感動すらおぼえてしまう。

ただ、この手のアクションだけならば、いくらでも似たような作品はある。本作は主人公である記憶を失った殺し屋をマッド・デイモンがすばらしく演じているということがポイントだろう。優しい表情をしながらも、やるときは容赦ない。かと思えば、自分を追いかけてきた殺し屋を殺さず、そのまま逃がしたり。どこか物思いにふけるようなあの表情を見ると、とても凄腕の殺し屋とは思えない。そのギャップが良いのかもしれない。

シリーズとしては完結し、ある程度、過不足なく物語りも終わっている。しかし、それだけではなく、続けようと思えばまだいくらでも続けられるようなラストとなっている。不死身なのか、それとも運が強いのか。結局CIAに対して一人で戦いを挑み勝ってしまう。余計な一言を相手に与え、自分でピンチを招くようなマネをしているのは、作品的面白さとボーンのすばらしさをアピールするためだろう。

このシリーズがこれで終わってしまうのは、少し寂しい気がする。できるならば、原作になくとも、今後続編を続けていってほしいものだ。



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