アイ・アム・レジェンド


2008.3.22 巨大な廃墟となったNY 【アイ・アム・レジェンド】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
地球上でただ一人の生き残り。NYでの一人っきりの生活。CM等でのイメージはそんなものだった。いったいどういった経緯でそんな状況に陥ったのか、そして、最後はどうなるのか、誰もが考える疑問だろう。このネタ晴らしをしてしまうと、とたんに面白さは半減するのだが、正直途中から少しダレてきた。まさかウィルスによる突然変異で一人だけ生き残ったという流れだとは思わなかった。この流れは下手すると28週後のようにも思えてしまう。実際にミュータントに襲われるくだりは、そっくりだった。NYでの孤独な生活というのが、本作のメインだとしたら、それとミュータントとの戦いのギャップをドキドキしながら見るのが正しいのだろう。

■ストーリー

予防不能、治療不能のウイルスによって汚染された地球。なぜか免疫があった軍所属の科学者ネビル(ウィル・スミス)は、荒廃したニューヨークで---あるいは世界で---ただ一人の生存者となった。必死に他の生存者を捜すネビルだったが、生存していたのはヒトではなかった。ウイルスによって変異したミュータントたちが闇に潜み、ネビルを監視していたのだ。ネビルが致命的なミスを犯すのを待ち続けるミュータントたち。過酷な状況の中、ネビルを支えているのはただひとつの希望。それは免疫のある自分の血液からウイルスを根絶する薬を作り出すこと。

■感想
正直言うと、多大な期待をしていたというのはある。地球でただ一人の生き残りというのがウィルスが原因というのもちょっと驚いたが、流れ的にどうしてもその他のウィルス系の作品とかぶっているように思えて仕方が無い。たった一人での孤独な戦い。草が生い茂り、廃墟とかしたNYというのにも圧倒されるが、ただ一人の生き残りとして孤独な生活を続けるネビルの心境。そして、だた一匹の仲間を失った時の自暴自棄加減。リアルなのだろうが、現実感はない。

いろいろな仕掛けを施しながら、一人ワクチンの作成にとりくむネビル。ゾンビ物やウィルス物の定番といえば、仲間で協力して生き残ろうとするのに対して、本作はただ一人、孤独な作業である。本作のすばらしい部分としては、孤独な生活の中にも前向きな部分を見つけ、それを希望の糧として生き続けるということだ。孤独に体を鍛え、AMラジオで生存者に呼びかけ続ける。廃墟と化したNYの町並みをバックにたそがれる姿は、想像を絶する寂しさがかもしだされている。

結末は意外にあっさりと訪れる。人類の希望となるワクチンを守ための自己犠牲精神。なんだかこの結末は日本人が好みそうな結末だ。アメリカ的ヒロイズムにのっとってはいるが、自己犠牲の精神が強いのは日本人だろう。最終的には、ウィルス物として、孤独な生活を送るネビルの物語なのだが、衝撃的なインパクトは少ない。物悲しさが終始画面上から漂ってくる。そして、希望がもてるラストですっきりと終わることができる。

なんだか、CM等で過剰な期待をしてしまったばかりに、タネがわかってしまうと、物語に集中する勢いをそがれてしまったような感じだろうか。



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