アダプテーション


2006.8.26 笑えないコメディ 【アダプテーション】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
コメディなのか何なのか。マルコビッチの穴も単純なコメディとは思えなかったが、本作も同じ路線のようだ。海外独特の分かりやすい笑いではなくひねくれた笑いだ。コメディと思ってみると思いのほかシリアスな部分も見えてくる。それがコメディを笑えなくしている原因かもしれない。マルコビッチの穴は確かに奇想天外で変った話だったが、本作を特別変ったものとは思わない。ただ見終わった印象としてはちょっと良く分からないということだけだ。

■ストーリー

『マルコビッチの穴』で成功を収めた脚本家チャーリー・カウフマンは、ノンフィクションの新作に取りかかるがアイデアが浮かばない。双子の弟の脚本はハリウッドで大成功し、あせったチャーリーは、ノンフィクション作家・スーザンに会いにいくが、彼女の動向を追ううちに、作品の裏に隠された驚愕の真実を知ってしまう。

■感想
笑えたのはニコラス・ケイジの風貌だけかもしれない。ハゲをトラウマに思う役なのだが、それをカツラを被って?演じているようだ。しかしニコラス・ケイジはそのままハゲではないのか?ハゲを独白する部分では、やけにリアリティ溢れていて、役作りとはいえブヨブヨに太った醜態をさらしている姿は面白さを通り越して哀れな気分になってきた。

脚本家という仕事の大変さは想像しかできないが、よくわかる。双子の弟があっさりと成功するのも苦労している兄としては気分は良くないだろう。ハゲを独白するような卑屈な心を持ったうじうじとした感じ、それを最初から最後までこの主人公には感じてしまった。マルコビッチの穴の脚本を書いて大成功した作者のその後の生活を面白おかしく描こうとしているようだが、不思議でそして決して笑えるものではないちょっとシリアスにも感じてしまった。

マルコビッチの穴が好きだから本作も見るという安易な見方はよくないと思うが、ありきたりなハリウッド映画に飽きた人や、ちょっと一筋縄ではいかない、自分で考えながら見る作品が好きな人は見ると良いかもしれない。そして最初から、コメディという先入観は持たずに見てほしい。



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