ウィ、シェフ!


 2025.3.20    女シェフが移民施設の少年たちを助ける【ウィ、シェフ!】


                     
ウィ、シェフ! [ オドレイ・ラミー ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
実力ある女シェフであるカティは、上司の女シェフと対立しレストランを辞めることになる。次に見つけた仕事は移民支援施設の住み込みの料理人だったのだが…。実力あるシェフが新たな環境で、今までと同じような厨房を想定していたら、想定外に設備がなく劣悪な環境だった。このパターンの作品はよくある。

新たな環境で四苦八苦するカティが、施設で生活する若者たちを教育しながら料理を教え成長していく物語だ。フランスならではの物語だろう。移民問題があり、成人した移民は職業訓練を受けていなければ祖国に強制送還されてしまう。移民の少年たちの必死の思いがカティに通じ、カティは驚きの行動にでる。ラストのカティの行動はすばらしい。

■ストーリー
有名な女シェフ、リナ・デレトのレストランのスーシェフ、カティはリナに自慢の品を勝手にアレンジされ彼女と大ゲンカし、レストランを飛び出してしまう。自分の腕なら引く手あまただろうと考えていたが現実は厳しく、ようやく見つけた仕事が移民支援施設の住み込み料理人。キッチンは不衛生で食糧庫もお粗末な状況。自分を手伝う者もいないと訴えるカティに、施設長は移民少年たちをアシスタントにするアイデアを提案するが…。

■感想
カティは確かに癖が強そうなシェフだ。上司のシェフはテレビの料理番組で人気となった人気先行型のシェフで、料理の腕はカティの方が上だ。そのため、カティは不満がたまっており、ついにはカティは店を辞めることになる。

次の就職先は…。移民支援施設での料理の環境は劣悪だ。少年たちには味はともかく量だけあれば良いというスタンスの施設長。その考えを変えるべく、カティが奮闘する姿が最高に面白い。丁寧な料理を作った結果、2時間遅れで昼食となり誰も食堂にいなかったりもする。

カティは環境を整えるために助手を要求するのだが…。施設の少年たちをアシスタントに使うことになる。ここで、料理の素人の少年たちとカティのやりとりが秀逸だ。プロの料理人というのがどんな存在なのかわからない施設の者たち。

このギャップをカティが埋めていく作業が本作の見どころだろう。施設に暮らす者たちがどのような境遇なのかを理解し始めるカティ。そして、実はカティ自身も施設で育ち、見よう見まねでシェフとして成長していったとわかる。

ラストではカティは料理の対決番組に出演する。ここでカティたちは仕掛けを行い、生放送の場で移民の少年たちが苦労している姿を映し出す。そして、カティの店での料理はすべて移民の少年たちが作っている姿を見せて、少年たちの就職先をあっせんしようとする。

カティは自分の未来よりも移民の少年たちのために行動している。最終的には施設の中に料理部門の職業訓練所を作り上げ、仕事のない移民の少年たちに料理を教えている。フランスの根深い移民問題を描いている。

実年齢を偽り、成人していないとして施設に居座る者も存在していることに驚いた。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp