ザ・ピーナッツバター・ファルコン [ シャイア・ラブーフ ]
評価:3
■ヒトコト感想
仲間ともめて放火した挙句、逃亡犯となったテイラーと、老人の介護施設から逃げ出したダウン症のザックの物語。施設のザック担当のエレノアがザックを探す中で、テイラーとザックは出会い、お互い逃亡者とわかり道中を共にする物語。印象的なのは、ボートやいかだに乗って水の上を移動するシーンが多いことだ。
ダウン症のザックは純粋にプロレスラーになりたいからプロレスラーの学校を目指す。テイラーははみ出し者であり、逃亡の日々を過ごす。ザックの純粋な思いに感化されるテイラー。いつの間にかザックを見つけ出したエレノアもふたりの旅に同行することになるのだが…。水辺を移動するロードムービー的な展開となる。水辺の美しい景色が印象的だ。
■ストーリー
老人の養護施設で暮らすダウン症の青年ザックは、子どもの頃から憧れていたプロレスラーの養成学校に入ることを夢見て、ある日施設を脱走する。一方、しっかり者の兄を亡くし孤独な毎日を送っていた漁師・タイラーは、他人の獲物を盗んでいたのがバレて、ボートに乗って逃げだす。ジョージア州サバンナ郊外を舞台に、偶然にも出会った二人の旅の辿り着く先は……?やがて、ザックを探してやってきた施設の看護師エレノアも加わって、知らない世界との新たな出会いに導かれ、彼らの旅は想像をもしていなかった冒険へと変化していく。
■感想
カニ漁で不正を働き、仲間からボコられるテイラー。腹いせに漁の道具に放火しそれが大ごとになったため、逃亡する。一方ザックは老人の養護施設から脱走したくて仕方がない。ダウン症だからと施設に閉じ込められることに我慢できないザック。
二人は偶然出会い、そのまま成り行きで逃亡生活を共にすることになる。最初はテイラーのボートにザックが勝手に入り込んだことから旅がスタートし、その後は、湖を移動するためにあり合わせの木材で筏を作って旅をしたりもする。
施設でザックの担当であったエレノアは、ザックを探しまわる。そこでテイラーとザックに出合い、そのまま成り行きで一緒に旅を続けることになる。エレノアはザックのためと思い込んであれこれ世話をしていたことは、すべて偏見にまみれていた。
ザックを自由にしてあげたいという気持ちが芽生えるエレノア。無理だとわかっていても、ザックがプロレスラーになる夢をあきらめきれないのはよくわかる。テイラーがザックのトレーニングに付き合っているのが、なんだか妙にほほえましい感じになっている。
逃亡者のテイラーは追いかけてきた者たちに見つかりぼこぼこにされてしまう。ザックはあこがれのプロレスラーに会え、そこからプロレスに参加するのだが…。ダウン症であるザックが思わぬパワーを発揮して周りを驚かせたりもする。
テイラーを追いかけてきた者たちは、ついにテイラーを見つける。放火犯とダウン症の青年、そして施設の担当女性とのロードムービー的な楽しさがある。ボートや筏をつかった水辺での旅はまた普通の車の旅とは違うホノボノとした雰囲気がある。
行く末が不安になるコンビであることは間違いない。