立ち直る力 [ 辻仁成 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
辻仁成の作品。冒頭で子供に向けての提言というような描かれ方をしているのだが…。内容を読む限り、作者自身に向けての言葉がかなりあるような気がした。総じて、頑張りすぎないこと。自分を追い詰めすぎないことへの心構えが描かれている。ということは、作者は相当頑張ってきたのだろう。巷にあふれる自己啓発系の本とは一線を画す作品となっている。
今現在、頑張りすぎて精神が疲弊している人は読んでみると良いのかもしれない。手を抜くことは悪ではない。作者自身はシングルファーザーとして仕事に家事に育児と奮闘しているのだろう。たまには手を抜いても良いのでは?と自分に対してアドバイスしているように思えてきた。
■ストーリー
生きてりゃ普通にみんな無理している!だから……「弱っているときはじっとしていろ。英気を養い、再起の機会を待てばいい。人間、立ち直る力だ」人は生きていればつらい目にあうし下を向いてしまうこともある。前に進めないときもある。そんな弱った心にじんわりとしみわたる温かな言葉たち。紡ぐのは、作家・辻仁成。もとは中学生の息子へ贈るための言葉だったが本書では、この地球上のすべての人に向けて編纂。今ある暗い気持ちがふっと楽になる、明日も生きてみようと思える、愛あるメッセージ集。
■感想
長所を伸ばせば短所が消えるだとか、人や物事に期待しないことが良いなど、新たな言葉が多数ある。作者の実体験の意味もあるのだろう。自分の息子に対して作者が送る言葉。日々何かに追われてせわしなく生きている人にとっては、本作に描かれていることを実践すれば、多少気持ちは休まるのだろう。
精神安定剤的な役割としてはよいのだろう。「疲れた」ではなく「頑張った」を口癖にすれば、それはそれで気持ちも変わってくるのだろう。人の精神を前向きにする効果がある。
哲学的な部分もある。苦しい時は成長している証、だとか。絶望しているのなら、近くで希望が待ち構えているだとか。谷間を超えた先には山がある。苦しみの先に山頂がある。それはその通りだろう。そして、今現在苦しんでいる人にとっては、その言葉は何かの希望になるのかもしれない。
過去を振り返らずに今を生きるような言葉もあった。やり直しがきかない過去をくよくよしてもしょうがない。未来に向けての言葉の数々は心にしみる何かがある。
寝る前は反省だとか後悔はしちゃだめ、というのもよくわかる。ついつい夜の寝る前に「あーすればよかった」「こーすればよかった」なんてことを考えてしまう。それをやるのに夜は最も向いていない。心地よい睡眠を得るためには、必要なことがある。
自己嫌悪に陥った時に読むと気分が変わるのは間違いない。強烈なインパクトがあるわけではない。何か悩んでいたり疲れた人は、本作を読むとよいかもしれない。何かが変わり、気持ちが楽になるだろう。
疲れた人は読んでみるとよいだろう。